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文献詳細

雑誌文献

総合診療31巻8号

2021年08月発行

文献概要

特集 メンタルヘルス時代の総合診療外来—精神科医にぶっちゃけ相談してみました。 【各論1】

精神科で対応するのが困難な各科からの精神科紹介事例集

著者: 塚原美穂子

所属機関:

ページ範囲:P.964 - P.972

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はじめに
 筆者は精神科医であるが、精神科、総合診療科、東洋医学科の診療、また企業での精神保健相談、障害者施設での相談・就労支援などに携わってきており、立ち位置としては浅く広く、今いる場所でできることを何とか考えて行う、というものである。そのため、筆者の視点が一般的な精神科医のものと言えるか定かでないが、逆に「どのような人が来ても何とかする」、という点では、総合診療の先生方と通じるかもしれない。
 以下は、筆者のやや古い経験からであるが、精神科と他科のより良い連携のために、普段あまり書かれないような視点から、精神科で対応するのが困難な5つの紹介事例について書いてみた。なお、各事例はプライバシー保護のため、いくつかのケースを混合したり細部を改変している。

参考文献

1)日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,他(監),染矢俊幸,他(訳):DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル.2014,医学書院.
2)尾久守侑:器質か心因か.中外医学社,2021. 〈器質性と心因性のグレーゾーンについての考え方と対応が、今まであまり書かれなかった視点から誠実に書かれている〉
3)日本老年医学会,他(編):高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015.メジカルビュー,2015. 〈高齢者の薬物療法についての注意すべき点をまとめたガイドライン〉 https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/info/topics/pdf/20170808_01.pdf
4)内田裕之,他(監),尾久守侑(著):精神症状から身体疾患を見抜く.金芳堂,2020. 〈精神症状を呈する身体疾患とその診断の手がかりについての、細やかかつ実用的な記述〉
5)金井貴夫:精神症状を呈する身体疾患症例の検討.第2回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会,2011(参照 http://www.hhk.jp/gakujyutsu-kenkyu/ika/180915-110000.php)
6)Frances A : Saving Normal ; An Insider's Revolt against Out-of-Control Psychiatric Diagnosis, DSM-5, Big Pharma, and the Medicalization of Ordinary Life. William Morrow, New York, 2013./アレン・フランセス(著),大野裕(監),青木創(訳):〈正常〉を救え—精神医学を混乱させるDSM-5への警告.講談社,2013. 〈診断の拡大やうつ病キャンペーンなど、過剰な精神医学化への警告〉
7)青木省三,他(編):大人の発達障害を診るということ—診断や対応に迷う症例から考える.医学書院,2015. 〈発達障害の成人例の社会生活支援についての考え方と対応が、豊富な事例を挙げて丁寧に書かれている〉
8)堀川直史:コンサルテーション・リエゾン精神医学.精神経誌109(7) : 709-712, 2007. 〈コンサルテーション・リエゾン精神医学について概観している〉
9)八田耕太郎:せん妄の診立てと治療.精神経誌115(11) : 1150-1156, 2013. 〈せん妄の予防・診療についての概観的な総説〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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