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文献詳細

雑誌文献

総合診療31巻8号

2021年08月発行

文献概要

特集 メンタルヘルス時代の総合診療外来—精神科医にぶっちゃけ相談してみました。 【各論2】総合診療医から精神科医への“ぶっちゃけ”相談集

Q2 すでに精神科に通院中の患者さんを総合診療科で診察する時に留意すべきことを教えてください。特に、統合失調症の患者さんの併存疾患(糖尿病や心不全など)へのケアがあまりうまくいきません。療養指導や生活指導が難しいです…。

著者: 田村修1

所属機関: 1勤医協中央病院 精神・リエゾン科

ページ範囲:P.978 - P.981

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 精神疾患患者、とりわけ統合失調症患者は、他科受診することを嫌うことも少なくありません。まずは総合診療科で継続的に診ていただけるだけでも、大変意味のあることです。
 精神疾患患者の身体合併症は、ⓐ偶発的に併存した身体疾患、ⓑ精神疾患の病態(精神症状や行動)に由来する身体疾患、ⓒ向精神薬の影響や副作用に由来する身体疾患、ⓓ身体疾患に起因する精神症状、ⓔその他、精神疾患に付随するさまざまな身体的問題、の5つに類別されます。慢性疾患の多くはⓐ+ⓑ+ⓒと複合的な成因ですので、まずはその全体像の把握が重要です1,2)

参考文献

1)堀川直史:リエゾン精神医療でよく見る問題行動とその対応—セルフケアを守れない.精神科リエゾンガイドライン.精神科治療学19(増刊号):87-92,2004.
2)今村弥生:精神疾患(統合失調症および双極性障害)と併存疾患—精神疾患に併存しやすい身体疾患,向精神薬が身体疾患に与える影響.総合診療25(12):1123-1126,2015.
3)飯野雄治,他:リカバリーの学校の教科書—精神疾患があっても充実した人生を送れます! EDITEX,2012.
4)加藤温:状況別に学ぶ 内科医・外科医のための精神疾患の診かた.中山書店,2016.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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