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特集 メンタルヘルス時代の総合診療外来—精神科医にぶっちゃけ相談してみました。 【各論2】総合診療医から精神科医への“ぶっちゃけ”相談集
Q6 外来の初診で「メンタルがやられて眠れないので薬が欲しい」という30代の男性がやってきました。どう考えたらよいでしょうか?
著者: 塚原美穂子
所属機関:
ページ範囲:P.995 - P.998
文献購入ページに移動 昨今は「メンタルの問題」「メンタルが病んだ」など、「メンタル」というワードが気軽に使われることが多く、精神科医としては精神・心理面に焦点が当たることは喜ばしいことと考えてはいるが、「メンタル」の意味するところはさまざまであり、当事者がどのような意味で使用しているかを今一度、考えてみる必要がある。
本タイトルの訴えには、「メンタルがやられている」「眠れない」「薬が欲しい」の3つの要素があり、互いに関連があるようでいて、実はそれぞれ独立した内容である。「メンタルがやられた→(そのため)眠れない→(だから)薬が欲しい」という困りごとに対し、患者自身のアセスメントが行われている。どれも主訴であるが、どれが困りごとの核心なのかについて医療者がアセスメントを行うには、その内訳を知る必要がある。
本タイトルの訴えには、「メンタルがやられている」「眠れない」「薬が欲しい」の3つの要素があり、互いに関連があるようでいて、実はそれぞれ独立した内容である。「メンタルがやられた→(そのため)眠れない→(だから)薬が欲しい」という困りごとに対し、患者自身のアセスメントが行われている。どれも主訴であるが、どれが困りごとの核心なのかについて医療者がアセスメントを行うには、その内訳を知る必要がある。
参考文献
1)国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 行動医学研究部:睡眠障害・睡眠問題に対する支援マニュアル—保健師・対人援助職向け. https://www.ncnp.go.jp/nimh/behavior/phn/sleep_manual.pdf 〈保健師向けだが、スクリーニングと非薬物アプローチが簡潔かつ十分にまとまっていてお勧めである〉
2)Sateia MJ : International classification of sleep disorders, third edition ; highlights and modifications. Chest 146(5) : 1387-1394, 2014. PMID 25367475 〈米国睡眠医学会による睡眠障害国際分類の第3版。第2版からの変更点の概観をまとめた簡潔な文献〉
3)三島和夫(編):睡眠薬の適正使用・休薬ガイドライン.じほう,2014. 〈睡眠薬の取り扱いについて迷ったら、このガイドライン〉
4)渡辺範雄:自分でできる「不眠」克服ワークブック—短期睡眠行動療法自習帳.創元社,2011. 〈睡眠認知行動療法の考え方と方法がまとめられ、セルフで行えるようになっている〉
5)Maslow AH : A theory of human motivation. Psychological Review 50(4) : 370-396, 1943. http://psychclassics.yorku.ca/Maslow/motivation.htm 〈マズローの5段階欲求説の原点。短い論文だが、人間の動機付けについての理論が明記されている〉
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