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文献詳細

雑誌文献

総合診療31巻8号

2021年08月発行

文献概要

特集 メンタルヘルス時代の総合診療外来—精神科医にぶっちゃけ相談してみました。 【各論2】総合診療医から精神科医への“ぶっちゃけ”相談集

Q7 いわゆる困った人で、クレーマーっぽくて多弁で、診療に非常に時間がかかって困っています。どうしたらよいでしょうか?

著者: 田村修1

所属機関: 1勤医協中央病院 精神科・リエゾン科

ページ範囲:P.999 - P.1001

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 来るたびに難癖のような発言を一方的に聞かされる、言質を取られないよう腫れ物に触るような対応で神経が磨り減る、診療時間がありえないくらい長くなり他の患者への迷惑にもなる、うんざりしているのに他所へ行ってくれない…等々、どれも目に浮かぶような診療の光景です。いくつかの調査報告によれば、プライマリ・ケア診療場面の約15%は「困難な状況」に該当するとのことです。困難に立ち向かっている読者の皆さんに、まずは敬意を表します。
 このような、医師にとって対応困難な状況(difficult clinical encounter)は、患者要因(patient characteristics)、医師要因(physician characteristics)、状況要因(situational issues)の3要素で構成されます1)。それぞれの代表的な内容を表1に示します。

参考文献

1)Hull SK, et al:How to manage difficult patient encounters. Fam Pract Manag 14(6) : 30-34, 2007. PMID 17598632
2)McCulloch J, et al : Psychotherapy in primary care ; the BATHE technique. Am Fam Physician 57(9) : 2131-2134, 1998. PMID 9606304
3)鋪野紀好(編):しくじり症例から学ぶ!—Difficult Patient 対応技法.日本医事新報社,2021.
4)加藤光樹(編):総合診療の視点で診る不定愁訴—患者中心の医療の方法.日本医事新報社,2020. 〈文献3、4ともに豊富なクリニカルシナリオで、実践的に学べる良書〉
5)日本医事新報社(編):医師のためのアンガーマネジメント.日本医事新報社,2019.
6)吉田博(編著):公務員のカスハラ対応術.学陽書房,2019.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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