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雑誌目次

雑誌文献

総合診療32巻1号

2022年01月発行

雑誌目次

特集 実地医家が楽しく学ぶ 「熱」「炎症」、そして「免疫」—街場の免疫学・炎症学

著者: 國松淳和

ページ範囲:P.20 - P.21

「免疫」と言うと専門的に感じ、「炎症」と言うと急に身近になり、そして「熱」と言えば実地医家が毎日でも扱う症候となります。
どんな専門性の高い疾患や稀な疾患でも、元をたどれば必ず日常診療のありふれた症候とつながっています。
「免疫」は研究者や専門家だけのものではなく、直接扱うことはなくても「今さら聞けない」病気たちの仕組みやメカニズムは、実地医家が知っておいていいと私は考えます。
本特集の目次に並ぶ疾患・症候群は一見脈絡のないものですが、まずはこれらを“雑誌らしく”拾い読みしてほしいと思います。
非専門医が免疫や炎症についてワイワイ話し合いアレコレ考えることを、「街場の」免疫学・炎症学と名づけました。
日頃“人”をみる総合診療医にこそ、免疫に思いを馳せ「患者さんの中で何が起こっているか」という“教養”を学ぶ場が時に必要です。
そんな楽しい機会をつくりたいと、本特集を企画しました。

Overview

著者: 國松淳和

ページ範囲:P.22 - P.22

 特集全体のねらいは、Editorial(p.19)で述べた。ここでは、「総合診療」と「免疫・炎症」がどうつながるのかを常に念頭に、本特集の構成について概説する。

今月の「めざせ! 総合診療専門医!」問題

ページ範囲:P.88 - P.88

本問題集は、今月の特集のご執筆者に、執筆テーマに関連して「総合診療専門医なら知っておいてほしい!」「自分ならこんな試験問題をつくりたい!」という内容を自由に作成していただいたものです。力試し問題に、チャレンジしてみてください。

【Ⅰ章:個別の病態で切る!】エキスパートが織りなす怒涛の縦糸—個別から“理屈”をつかむ

❶重症筋無力症—加齢性・非器質的疾患と見誤るな

著者: 栗原正典

ページ範囲:P.23 - P.27

Case
眼筋症状を欠き、併存する精神疾患から診断に時間を要した一例
患者:65歳、女性
既往歴:うつ病で、抗うつ薬・スルピリドなどを内服
現病歴:64歳時に構音障害を自覚し徐々に悪化したため、かかりつけ精神科でスルピリド中止となったが、改善しなかった。半年後から首が下がるようになり近医整形外科を受診し、牽引・ネックカラー装着など行ったが、症状が悪化したため他院神経内科を受診した。頭頸部MRIに異常なく、精神科で薬剤変更後から首下がりを訴えたため薬を戻すことを提案された。その1カ月後から四肢の筋力低下も認め、しゃがみ立ちなどが困難になり当院を受診した。
 頸部・四肢近位筋の筋力低下を認め、眼筋症状は明らかでないが、診察時の筋力と問診上のADLの乖離などから重症筋無力症の可能性も考え精査した。抗AChR(アセチルコリン受容体)抗体は陰性だが、反復刺激試験でwaningを、塩酸エドロホニウム試験では咽頭違和感・呼吸困難感・眼瞼下垂を認めた。また、耳鼻科診察で声帯麻痺を認めた。抗MuSK(筋特異的受容体型チロシンキナーゼ)抗体を測定すると陽性であり、「抗MuSK抗体陽性重症筋無力症」の診断となった。プレドニゾロン内服と大量免疫グロブリン療法を行い、症状改善し退院した。

❷新型コロナウイルス感染症(COVID-19)—“炎症”と“凝固障害”、病態を踏まえたマネジメント

著者: 福島一彰

ページ範囲:P.28 - P.35

Case
患者:35歳、男性
基礎疾患:2型糖尿病(10年前に指摘されたが通院自己中断)、肥満(BMI 39.8)
現病歴:職場でCOVID-19患者の発生があった。入院6日前に40℃台の発熱・頭痛・咳嗽が出現した。入院4日前に近医で施行された鼻咽頭ぬぐい液の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原検査が陽性となった。自宅療養を行っていたが、入院当日に酸素飽和度(SpO2)の低下を認めたため救急搬送された。
 入院時の胸部単純X線検査で、両側に広範囲にびまん性すりガラス状陰影を認めた(図1)。来院時リザーバーマスク10L酸素投与でSpO2 80%後半であったため、ハイフローネーザルカニューラへ変更した。酸素流量50L/分・酸素濃度70%でSpO2 90%後半まで回復したものの、さらに酸素需要が増加し、入院翌日に気管挿管・人工呼吸器管理を開始した。来院時に高血糖があり、インスリン持続静注療法を併用した。

❸IgG4関連疾患—炎症よりも線維化・腫瘤形成のゲシュタルト

著者: 佐田竜一

ページ範囲:P.36 - P.41

Case
患者:65歳、男性
主訴:目の上と顎の下が腫れてきた。唾液が出づらい。
現病歴:半年前から、食事の際の顎下部痛を自覚していた。歯科受診したが異常はないと言われ、経過観察していた。昨日、鏡を見て両顎の下と左上眼瞼が腫れていることに気づき(図1)、インターネットで調べ「IgG4関連疾患」という病名が出たので心配になり受診した。
 抗核抗体陰性、血清IgG 3,320mg/dL、血清IgG4 423mg/dLであり、顎下腺生検で線維化を伴う形質細胞浸潤を認め、免疫染色でIgG4/IgG比 65%であったことから、実際にIgG4関連疾患と診断した。

❹免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象(irAE)—その倦怠感は「がん」のせいとは限らない

著者: 峯村信嘉

ページ範囲:P.42 - P.46

Case
ニボルマブによるirAEの一例
患者:80歳、男性
主訴:足に力が入らない
経過:進行肺がんに対するニボルマブでの治療開始5カ月後に、上記主訴にて近医内科かかりつけ医を臨時受診。およそ1週間の経過で、この症状が出現し悪化した。かかりつけ医は免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor:ICI)での治療中であることを知らず、「足に力が入らない」という主訴から歩行障害を疑い、脳の画像検査をオーダーした。

❺免疫再構築症候群—その奇妙な仕組みを知り、正しい初期対応を

著者: 大場雄一郎

ページ範囲:P.47 - P.52

Case1
抗HIV薬治療中に日和見感染症が再燃した一例
患者:40歳台、男性
現病歴:10カ月前から、HIV感染症/AIDS(CD4陽性リンパ球数<10/μL)、および肺病変と鼠径リンパ節炎の非結核性抗酸菌(Mycobacterium avium-intracellulare complex:MAC)症に対し、抗HIV薬+MAC症治療薬3剤併用の治療で軽快し、外来治療を継続中(CD4陽性リンパ球数>100/μLまで回復)。
 3週間前から、微熱と湿性咳嗽、右手関節痛を自覚。体幹CTで、右肺上葉に浸潤影と末梢粒状散布影、右側縦隔リンパ節に多発する腫大と内部囊胞状変化がみられた。気管支鏡検査でMACのみ同定され、MAC症治療薬にレボフロキサシン内服が追加され、外来治療を継続。経過中に熱型上昇と右手関節痛増強があったが、解熱鎮痛薬で対応し、3カ月後には軽快した。

❻抗NMDA受容体脳炎—精神症状を内科学の症候と考える

著者: 尾久守侑

ページ範囲:P.53 - P.57

Case
患者:29歳、女性
現病歴:これまで精神科疾患の既往はなく、一般企業の総合職として勤務していたが、風邪をひいて会社を数日休んだあとから、徐々に周囲の視線が気になるようになり、会社を早退するなどの行動がみられた。次第に「早く行かないとミニーが死んじゃう」などと母親に訴えて泣くといった意味不明の言動がみられるようになり、近隣のA総合病院の内科を受診した。
 内科では脳炎が疑われ、血液検査・頭部MRI・脳波検査・髄液一般検査が行われたが、特記すべき異常はなく、近隣の精神科病院に転送となった。しかし翌朝、39℃の高体温とともに緊張病となり、呼吸停止をきたしたため、再度A総合病院に転院。脳波に著しい徐波を認め、改めて脳炎が疑われメチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム(ソル・メドロール®)1,000mL(3日間)が開始となった。速やかに症状は改善し、後日提出していた髄液から「抗NMDA(N-methyl-D-aspartic acid)受容体抗体」が検出された。

❼亜急性甲状腺炎—のどの痛みに潜む甲状腺疾患に要注意

著者: 辻本哲郎

ページ範囲:P.58 - P.61

Case1
典型的な亜急性甲状腺炎の一例
患者:30歳、女性
現病歴:20XX年4月上旬にのどに痛みが出現し、体温37℃台となり近医を受診したところ、咽頭炎として抗菌薬を処方された。その後も症状の改善を認めず、頸部痛は悪化、体温も39℃まで上昇し、当院受診となった。
身体所見:咽頭内に明らかな異常所見は認めなかった。甲状腺は左右ともに腫大し、圧痛・自発痛を認めた。甲状腺の痛みは左優位で、明らかな硬結はなし。
血液検査:WBC 6,070/μLと基準値内であったが、ESR 134mm/時、CRP 10.61mg/dLと炎症反応高値であった。また、TSH 0.001μIU/mL、FT3 11.94ng/mL、FT4 3.47ng/dLと甲状腺機能異常を認めた。TSH受容体抗体、抗Tg抗体、抗TPO抗体のいずれも陰性であった。
甲状腺超音波検査:甲状腺全体に腫大あり、疼痛部に一致した境界不明瞭な低エコー域が存在した(図1)。囊胞や腫瘤性病変は認めなかった。
 以上の所見より「亜急性甲状腺炎」と診断した。

❽炎症性腸疾患—ありふれた症状でやってくる見逃せない難病

著者: 櫻井俊之

ページ範囲:P.62 - P.65

Case
患者:25歳、男性。飲食店職員。
現病歴:5年前に、腹痛・下痢を生じるようになり近医を受診。特に検査はせず「過敏性腸症候群」と診断され、整腸薬内服を開始したが改善しなかった。最近、症状が増悪し、体重減少・食欲不振を伴ってきたため当院を受診した。
 大腸内視鏡検査を施行し、全大腸にわたって連続する著明な発赤と浮腫、縦走潰瘍、敷石状変化を認めた。生検で類上皮細胞肉芽種を検出し、「大腸型Crohn病」の診断となった。ステロイド大量静注療法を行ったが寛解導入せず、生物学的製剤を投与し寛解導入された。

【Ⅱ章:大きなテーマで切る!】“横断屋”が織りなす思考の横糸—興味深いテーマで理解をつなげる

❶炎症か? 腫瘍か?—病理医からみた「炎症」と「腫瘍」の分水嶺

著者: 峰宗太郎

ページ範囲:P.66 - P.71

炎症とは? 腫瘍とは?
病理総論的な視点から
 炎症と腫瘍は、病理総論的には全く異なるカテゴリーに属する現象です。概念的には“まったく別もの”である、ということです。まずは、それぞれを「病理総論」的な観点から見てみたいと思います。

❷Hematology in General—総合診療/総合内科における血液疾患診療

著者: 髙岸勝繁

ページ範囲:P.72 - P.77

Case1
「関節リウマチと思いきや?」その1
患者:70歳台、女性
主訴:手指の関節痛
現病歴:来院2カ月前から、朝に1時間程度持続する両手指のこわばり、右手首・右母指付け根の疼痛を自覚した。増悪傾向にあり、来院2週間前から右手関節の腫脹も出現したため受診した。
身体所見:右手関節に腫脹・圧痛あり。左第三指PIP(近位指節間)関節に圧痛あり。右側上腕二頭筋長頭に圧痛あり。下肢関節に異常所見なし。
画像所見:手指X線;明らかな骨びらんを認めない。関節エコー;右手関節の関節液貯留・左第三指PIP関節の滑膜肥厚(Ⅱ度)を認めた。
血液所見:WBC 12,000/μL(Neut 67%、Lym 16%、Mono 5.2%、Eos 2.8%、Baso 8.7%)、Hb 13.3g/dL、Plt 38×104/μL、TP 7.0g/dL、Alb 4.2g/dL、AST 30IU/L、ALT 23IU/L、LDH 326IU/L、CPK 58IU/L、BUN 19mg/dL、Cr 0.66mg/dL、CRP 0.04mg/dL、抗CCP抗体 10.3U/mL

❸良性の非感染性炎症性疾患の治療(ステロイド)の話

著者: 國松淳和

ページ範囲:P.78 - P.82

Case
患者:20歳台、女性、日本人
病歴:5日前から発熱し、その4日後、両下腿に比較的たくさんの発疹が一度に生じ、その痛みがつらいため受診した。皮疹は円形で、径は1〜10cmとさまざま。いずれも強い圧痛を認める。隆起し結節様である。両側ともほぼ同時に発症している。

❹てんかんと炎症・免疫

著者: 早川格

ページ範囲:P.83 - P.87

Case
難治頻回部分発作重積型急性脳炎(AERRPS)の一例
患者:発症時2歳、現在6歳の女児
既往歴・家族歴:なし
現病歴:生来健康で発達正常だった。2歳時に1週間の発熱があり、対症療法で解熱した。解熱した翌朝から傾眠傾向となり、夕方に左顔面の間代発作が群発した。救急外来到着後に全身性強直間代発作が重積し、抗てんかん薬5剤で停止せず挿管された。頭部CTと髄液検査は正常だった。チオペンタールナトリウム6mg/kg/時とケタミン 24mg/kg/日を含む10種類の抗てんかん薬、ステロイドパルス療法、免疫グロブリン静注療法(IVIG)、単純血漿交換、ケトン食療法を使用したが焦点発作が止まらず、臨床発作は入院7日目、脳波上の発作は入院70日目に停止した。頭部MRIは、入院4日目は両側海馬のDWI高信号のみだったが、入院40日目には大脳皮質・基底核・視床・海馬・小脳の高度な萎縮を呈した。治療経過で急性心不全・急性腎不全・急性肝障害・深部静脈血栓症・細菌性腹膜炎を合併した。入院から6カ月後に、追視なし・頸定なし、気管切開・終日人工呼吸器装着、経鼻胃管栄養の状態で自宅退院した。発症3年後、神経学的には不変で、数分間の焦点発作が10回/日ほどある。

Editorial

「面白さ」を伝える方法

著者: 國松淳和

ページ範囲:P.19 - P.19

本特集のねらいは、実にシンプルである。読者に免疫や炎症を「面白い」と思っていただけることである。「免疫」や「炎症」という生体現象は、本当に面白い。まったく興味・関心が尽きない。
 私は、何かの面白さを伝える時に、その面白さを最も効率よく強く伝える方法を知っている。それは、周りのことなど一切気にせず、その人自身が誰より楽しみ、そして、その楽しんでいるところを見せることである。

ゲストライブ〜Improvisation〜・15

快談!「発熱診療」の過去・現在・未来—inコロナ禍、ここだけの話

著者: 忽那賢志 ,   國松淳和 ,   佐田竜一

ページ範囲:P.1 - P.11

 日本で最初に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者が確認されたのが2020年1月中旬(p.28)。それから2年、未だ目まぐるしく状況が変わりゆくなか、「発熱診療」は様変わりしてきた。時に従来のセオリーが通用せず、問題は「いかに科学的に診療・対策を行うか」に留まらない。それぞれ異なる立場で、何が最善であるか手探りで「コロナ診療」に取り組んできた3人の発熱診療のエキスパートが、❶発熱診療はどう変わったか、❷コロナ診療の現在と課題、❸ワクチン接種後の諸症候、❹今後のことについて、忌憚なく語り合った! コロナ禍が炙り出した日本の医療の従来・未来の課題とは?(編集室)

高齢者診療スピードアップ塾|効率も質も高める超・時短術・1【新連載】

「電解質異常」診療はPOCTで45分早くなる!

著者: 増井伸高

ページ範囲:P.89 - P.91

 今や外来の半分以上を占める高齢者患者。その対応が難しい理由の1つが、診断や治療に「時間がかかること」です。しかし、高齢者診療のスピードアップ法を体系的に教わる機会は、なかなかありません。そこで本連載ではスピーディな高齢者診療法を解説し、速いけど雑ではない、むしろ早期対応で予後に貢献するテクニックを紹介します。新しい時短スキルはもちろん、すでに知っているスキルでも、みなさんの病院や診療所で実践し、スピードアップを目指しましょう。

フィジカル・ラウンド・オンライン・1【新連載】

退院直後の体調不良—血糖悪化の理由とは?

著者: 浅野成美 ,   矢吹拓 ,   平島修

ページ範囲:P.92 - P.96

(本回診は矢吹拓氏と平島修氏が主催。症例提示者として浅野成美氏、参加者として松山拓氏、吉原さつき氏、大澤悠氏、他15名でオンライン・カンファレンス開催中!)。

What's your diagnosis?[229]

解毒薬はやめてください

著者: 関灘大輔 ,   妻鹿旭 ,   北村大 ,   浜田禅 ,   風間亮 ,   小川吉彦 ,   浅川麻里

ページ範囲:P.14 - P.18

病歴
患者:75歳、男性
主訴:嘔吐
現病歴:X-4年に胃体部癌に対して、胃幽門切除術(R-Y再建)を受け、X年の術後CTで総胆管結石を指摘されて消化器内科入院となった。入院2日目にダブルバルーン内視鏡で結石除去を施行した際に、後腹膜に穿通を生じた。後腹膜膿瘍も認め、抗菌薬治療と後腹膜ドレナージ治療を行った。入院108日目には膿瘍の縮小と炎症反応の低下を認めたことから、抗菌薬治療およびドレナージを終了した。入院116日目の昼の経腸栄養の際に嘔気があり、経腸栄養の投与を減速していたが、夕方の経腸栄養投与後に残渣物の嘔吐を認めた。翌朝の経腸栄養投与後にも再度嘔吐を認めた。
ROS陽性:水様性下痢
ROS陰性:悪寒、腹痛、呼吸困難、めまい
併存症:高血圧症、高尿酸血症、COPD(慢性閉塞性肺疾患)
既往歴:70歳:大腸腺腫(内視鏡的粘膜切除術施行)、71歳:胃体部癌(胃幽門切除術、R-Y再建施行)、72歳:総胆管結石(内視鏡的結石除去術施行)
内服薬:酪酸菌、タンニン酸アルブミン、ロペラミド、プレガバリン、クエチアピンフマル酸塩
アレルギー:なし
嗜好歴:喫煙:past smoker 40本/日×40年、飲酒:ビール350mL/日

【エッセイ】アスクレピオスの杖—想い出の診療録・21

助けられなかった女性たち

著者: 柴田綾子

ページ範囲:P.97 - P.97

本連載は、毎月替わる著者が、これまでの診療で心に残る患者さんとの出会いや、人生を変えた出来事を、エッセイにまとめてお届けします。

“コミュ力”増強!「医療文書」書きカタログ・19

—職場環境が向上する!—「研修医」や「看護師」への“伝わる指示”の出し方

著者: 天野雅之

ページ範囲:P.98 - P.102

今月の文書
病棟指示(口頭指示を含む)
セッティング:入院患者に関する研修医・看護師への指示
患者:朝に重症の低ナトリウム血症の患者が入院した。整形外科から紹介された別の患者(敗血症性ショック)の急変対応(前号)に引き続き、桜井・結崎が対応することになった。
【登場人物】
結崎:臨床研修医。3日前から総合診療科ローテーションが始まった。
桜井:総合診療科1年目専攻医。結崎と同じチームになった。
飛鳥:桜井の指導医。総合診療専門研修プログラムの責任者。
若草:病棟看護師。卒後2年目でひととおりのことはできる。
鴻池:病棟看護師。主任。飛鳥と同学年で仲良し。

『19番目のカルテ』を読んで答える! あなたの“ドクターG度”検定&深読み解説・10

準備と“信頼”—(『19番目のカルテ—徳重晃の問診』第10話より)

著者: 徳田安春

ページ範囲:P.111 - P.113

本連載は総合診療ビギナーの皆さんに、総合診療の楽しさと奥深さを解説することが目的です。漫画『19番目のカルテ』のエピソードを深読みすることにより、総合診療医がどのような根拠に基づいて診断しているのかを理解していただければ幸いです。本連載は『総合診療』×『19番目のカルテ』のコラボ企画で、本誌編集委員の徳田安春先生・山中克郎先生が隔月で作問&解説します!

Dr.上田剛士のエビデンス実践レクチャー!医学と日常の狭間で|患者さんからの素朴な質問にどう答える?・22

天気が悪いと古傷が疼きます

著者: 上田剛士

ページ範囲:P.114 - P.118

患者さんからのふとした質問に答えられないことはないでしょうか? 素朴な疑問ほど回答が難しいものはありませんが、新たな気づきをもたらす良問も多いのではないでしょうか? 本連載では素朴な疑問に、文献的根拠を提示しながらお答えします!

患者さんには言えない!? 医者のコッソリ養生法・8

不養生の医者、「運動」で肥満を解消する!

著者: 須田万勢

ページ範囲:P.119 - P.123

 “プチ不健康”を放置してきたツケで弱っていたところに、突然現れた医神アスクレピオス(自称ピオちゃん)に半ば強制的に弟子入りさせられた貝原先生は、「養生」で健康を取り戻す方法をしぶしぶ学び始めた。「風邪」「肩こり」に続き、養生最大の難関「肥満」の解消に引き続き挑む。

【臨床小説】後悔しない医者|あの日できなかった決断・第22話

まだ選ばない医者

著者: 國松淳和

ページ範囲:P.124 - P.129

前回までのあらすじ 今月のナゾ
 まもなく新年を迎える。前回、黒野チームは、五明・宮川という2人の初期研修医を送り出した。2年目初期研修医は、後期研修、すなわち専攻を選択すべき時が近づいているが、西畑はまだ迷っている。はたして彼女は、どのように、どの道を選ぶのだろう? “休日”の医者のモノローグから、新エピソードがスタートする。

 「総合診療」に関心をもつ医学生・初期研修医は多い。ところが実際に総合診療を専攻する人は数少ない。もちろん、何を選んでもいいし、どの診療科にも魅力がある。しかし少し立ち止まって、今一度考えてみたい。「総合」とは? 「専門性」とは? 「専門医/非専門医」とは? 明快に腑に落ちることなく、ショートアンサーができないような事柄でも、理解はできる。その試みのなかの苦悶を描く。

投稿 GM Clinical Pictures

Courvoisier徴候

著者: 飯田智哉 ,   吉崎秀夫 ,   富樫裕子 ,   門脇睦子

ページ範囲:P.103 - P.104

CASE
患者:81歳、女性。独居生活を送っていたが、食欲不振を主訴に総合病院を受診。
身体診察:顕性黄疸と右季肋部に膨隆を認めた。
血液検査:T-Bil 3.1mg/dL、D-Bil 2.5mg/dLと黄疸を支持する結果であり、その他には低アルブミン血症(2.5g/dL)、軽度のCRP値上昇(1.5mg/dL)を認めた。
造影CT検査:膵頭部腫瘍による総胆管および胆囊管の拡張、胆囊の著明な腫大、左腎に囊胞を認めた(図1)。

#総合診療

#今月の特集関連本

ページ範囲:P.11 - P.11

#今月の特集関連本

ページ範囲:P.35 - P.35

#今月の特集関連本

ページ範囲:P.57 - P.57

#今月の特集関連本

ページ範囲:P.71 - P.71

#今月の特集関連本

ページ範囲:P.82 - P.82

#今月の特集関連本

ページ範囲:P.87 - P.87

#今月の特集関連本

ページ範囲:P.107 - P.110

#今月の連載関連本

ページ範囲:P.91 - P.91

#医学書院の新刊

ページ範囲:P.105 - P.105

#編集室に届いた執筆者関連本

ページ範囲:P.105 - P.105

#書評:—これで解決!—みんなの臨床研究・論文作成

著者: 後藤温

ページ範囲:P.110 - P.110

 本書の著者・辻本哲郎先生は、私が国際医療研究センターに勤めていた頃の同僚で、『Diabetes Care』『Hypertension』をはじめとする一流誌に多数の論文を発表し続けている臨床研究のトップランナーの1人です。
 どうすれば、辻本先生のようにハイペースで、かつインパクトのある論文を執筆できるのか、いつかこっそり教えていただきたいと思っておりました。本書は、臨床研究の論文作成を究めた辻本先生による“秘伝の書”となっており、論文を書くためのイロハと、良い雑誌に採択されるための秘訣がちりばめられています。

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目次

ページ範囲:P.12 - P.13

読者アンケート

ページ範囲:P.130 - P.130

『総合診療』編集方針

ページ範囲:P.131 - P.131

 1991年に創刊した弊誌は、2015年に『JIM』より『総合診療』に誌名を変更いたしました。その後も高齢化はさらに進み、社会構造や価値観、さらなる科学技術の進歩など、日本の医療を取り巻く状況は刻々と変化し続けています。地域医療の真価が問われ、ジェネラルに診ることがいっそう求められる時代となり、ますます「総合診療」への期待が高まってきました。これまで以上に多岐にわたる知識・技術、そして思想・価値観の共有が必要とされています。そこで弊誌は、さらなる誌面の充実を図るべく、2017年にリニューアルをいたしました。本誌は、今後も下記の「編集方針」のもと、既存の価値にとらわれることなく、また診療現場からの要請に応え、読者ならびに執筆者のみなさまとともに、日本の総合診療の新たな未来を切り拓いていく所存です。
2018年1月  『総合診療』編集委員会

『総合診療』バックナンバーのご案内

ページ範囲:P.132 - P.133

お得な年間購読のご案内

ページ範囲:P.133 - P.134

次号予告

ページ範囲:P.135 - P.136

基本情報

総合診療

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 2188-806X

印刷版ISSN 2188-8051

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バックナンバー

33巻12号(2023年12月発行)

特集 海の外へ渡る航行者を診る—アウトバウンドにまつわるetc.

33巻11号(2023年11月発行)

特集 —続・総合診療外来に“実装”したい—最新エビデンスMy Best 3

33巻10号(2023年10月発行)

特集 ○×クイズ110問!日常診療アップグレード—Choosing WiselyとHigh Value Careを学ぼう

33巻9号(2023年9月発行)

特集 ジェネラリストのための「発達障害(神経発達症)」入門

33巻8号(2023年8月発行)

特集 都市のプライマリ・ケア—「見えにくい」を「見えやすく」

33巻7号(2023年7月発行)

特集 “消去法”で考え直す「抗菌薬選択」のセオリー—広域に考え、狭域に始める

33巻6号(2023年6月発行)

特集 知っておくべき!モノクロな薬たち(注:モノクローナル抗体の話ですよ〜)

33巻5号(2023年5月発行)

特集 —疾患別“イルネススクリプト”で学ぶ—「腹痛診療」を磨き上げる22症例

33巻4号(2023年4月発行)

特集 救急対応ドリル—外来から在宅までの60問!

33巻3号(2023年3月発行)

特集 —自信がもてるようになる!—エビデンスに基づく「糖尿病診療」大全—新薬からトピックスまで

33巻2号(2023年2月発行)

特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き!

33巻1号(2023年1月発行)

特集 COVID-19パンデミック 振り返りと将来への備え

32巻12号(2022年12月発行)

特集 レクチャーの達人—とっておきの生ライブ付き!

32巻11号(2022年11月発行)

特集 不定愁訴にしない“MUS”診療—病態からマネジメントまで

32巻10号(2022年10月発行)

特集 日常診療に潜む「処方カスケード」—その症状、薬のせいではないですか?

32巻9号(2022年9月発行)

特集 総合診療・地域医療スキルアップドリル—こっそり学べる“特講ビデオ”つき!

32巻8号(2022年8月発行)

特集 こんなところも!“ちょいあて”エコー—POCUSお役立ちTips!

32巻7号(2022年7月発行)

特集 —どうせやせない!? やせなきゃいけない??苦手克服!—「肥満」との向き合い方講座

32巻6号(2022年6月発行)

特集 総合診療外来に“実装”したい最新エビデンス—My Best 3

32巻5号(2022年5月発行)

特集 「診断エラー」を科学する!—セッティング別 陥りやすい疾患・状況

32巻4号(2022年4月発行)

特集 えっ、これも!? 知っておきたい! 意外なアレルギー疾患

32巻3号(2022年3月発行)

特集 AI時代の医師のクリニカル・スキル—君は生き延びることができるか?

32巻2号(2022年2月発行)

特集 —withコロナ—かぜ診療の心得アップデート

32巻1号(2022年1月発行)

特集 実地医家が楽しく学ぶ 「熱」「炎症」、そして「免疫」—街場の免疫学・炎症学

31巻12号(2021年12月発行)

特集 “血が出た!”ときのリアル・アプローチ—そんな判断しちゃダメよ!

31巻11号(2021年11月発行)

特集 Q&Aで深める「むくみ診断」—正攻法も!一発診断も!外来も!病棟も!

31巻10号(2021年10月発行)

特集 医師の働き方改革—システムとマインドセットを変えよう!

31巻9号(2021年9月発行)

特集 「検査」のニューノーマル2021—この検査はもう古い? あの新検査はやるべき?

31巻8号(2021年8月発行)

特集 メンタルヘルス時代の総合診療外来—精神科医にぶっちゃけ相談してみました。

31巻7号(2021年7月発行)

特集 新時代の「在宅医療」—先進的プラクティスと最新テクノロジー

31巻6号(2021年6月発行)

特集 この診断で決まり!High Yieldな症候たち—見逃すな!キラリと光るその病歴&所見

31巻5号(2021年5月発行)

特集 臨床医のための 進化するアウトプット—学術論文からオンライン勉強会、SNSまで

31巻4号(2021年4月発行)

特集 消化器診療“虎の巻”—あなたの切実なギモンにズバリ答えます!

31巻3号(2021年3月発行)

特集 ライフステージでみる女性診療at a glance!—よくあるプロブレムを網羅しピンポイントで答えます。

31巻2号(2021年2月発行)

特集 肺炎診療のピットフォール—COVID-19から肺炎ミミックまで

31巻1号(2021年1月発行)

特別増大特集 新型コロナウイルス・パンデミック—今こそ知っておきたいこと、そして考えるべき未来

30巻12号(2020年12月発行)

特集 “ヤブ化”を防ぐ!—外来診療 基本の(き) Part 2

30巻11号(2020年11月発行)

特集 診断に役立つ! 教育で使える! フィジカル・エポニム!—身体所見に名を残すレジェンドたちの技と思考

30巻10号(2020年10月発行)

特集 —ポリファーマシーを回避する—エビデンスに基づく非薬物療法のススメ

30巻9号(2020年9月発行)

特集 いつ手術・インターベンションに送るの?|今でしょ! 今じゃないでしょ! 今のジョーシキ!【感染症・内分泌・整形外科 編】

30巻8号(2020年8月発行)

特集 マイナーエマージェンシー門外放出—知っておくと役立つ! テクニック集

30巻7号(2020年7月発行)

特集 その倦怠感、単なる「疲れ」じゃないですよ!—筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群とミミック

30巻6号(2020年6月発行)

特集 下降期慢性疾患患者の“具合”をよくする—ジェネラリストだからできること!

30巻5号(2020年5月発行)

特集 誌上Journal Club—私を変えた激アツ論文

30巻4号(2020年4月発行)

特集 大便強ドリル—便秘・下痢・腹痛・消化器疾患に強くなる41問!

30巻3号(2020年3月発行)

特集 これではアカンで!こどもの診療—ハマりがちな11のピットフォール

30巻2号(2020年2月発行)

特集 いつ手術・インターベンションに送るの?|今でしょ! 今じゃないでしょ! 今のジョーシキ!【循環器・消化器・神経疾患編】

30巻1号(2020年1月発行)

特集 総合診療医の“若手ロールモデル”を紹介します!—私たちはどう生きるか

27巻12号(2017年12月発行)

特集 小児診療“苦手”克服!!—劇的Before & After

27巻11号(2017年11月発行)

特集 今そこにある、ファミリー・バイオレンス|Violence and Health

27巻10号(2017年10月発行)

特集 めまいがするんです!─特別付録Web動画付

27巻9号(2017年9月発行)

特集 うつより多い「不安」の診かた—患者も医師も安らぎたい

27巻8号(2017年8月発行)

特集 見逃しやすい内分泌疾患─このキーワード、この所見で診断する!

27巻7号(2017年7月発行)

特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!Part 3 カリスマ編

27巻6号(2017年6月発行)

特集 「地域を診る医者」最強の養成法!

27巻5号(2017年5月発行)

特集 コミュニケーションを処方する—ユマニチュードもオープンダイアローグも入ってます!

27巻4号(2017年4月発行)

特集 病歴と診察で診断できない発熱!—その謎の賢い解き方を伝授します。

27巻3号(2017年3月発行)

特集 これがホントに必要な薬40—総合診療医の外来自家薬籠

27巻2号(2017年2月発行)

特集 The総合診療ベーシックス—白熱!「総合診療フェスin OKINAWA」ライブ・レクチャー! 一挙公開 フィジカル動画付!

27巻1号(2017年1月発行)

特集 総合診療の“夜明け”—キーマンが語り尽くした「来し方、行く末」

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