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文献概要
What's your diagnosis?[238]
膝カックン!—“押されたんじゃなくて引っ張られたの”
著者: 酒見英太1 岩下靖史2
所属機関: 1洛和会音羽病院 総合内科 2洛和会音羽病院 整形外科
ページ範囲:P.1180 - P.1184
文献購入ページに移動患者:16歳、女性
主訴:易転倒性
現病歴:生来健康な高校1年生。偏頭痛でたまにロキソニン®を頓服するが常用薬はなく、アレルギーもない。吹奏楽部でクラリネットを吹いている。京都出身の両親と弟との4人暮らし。ペットは飼っていない。月経は順調で、最終正常月経は4日前。経血に凝血塊なし。偏食はしていない。
当科受診の7カ月前に駅の階段で2度転んだことはあるが、特に外傷も負わないですみ、以後同様なエピソードはなかった。4カ月前の学校検診で脊柱側弯を指摘されたため、脊椎外科受診を勧められた。8週間前にヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンを接種されたが、特に問題はなかった。5週間前に当院脊椎外科を受診。側弯は軽度であり介入不要とされたが、上肢<下肢のDTR(深部腱反射)亢進が認められたため、全脊椎MRIが撮影され、脊椎管が全般に拡大しているように思われたが、脊髄自体に異常は認められなかった。
約1カ月前より転倒しやすくなり、17日前からは歩行中に頻回に膝折れがして前方に転び、膝をすりむくことが多くなったため、再度脊椎外科外来を再診したところ救急外来に回され、血液、脳および頸胸髄MRIの検査を受け、そこから精査を求めて3日後に内科を紹介受診した。母親はHPVワクチンの副作用を心配している。
ROS(review of systems):易転倒性はあるが、どこも痛くなく、体調が悪いとも感じていない。悪寒・発熱・寝汗、頭重、口腔咽頭症状、上下気道症状、呼吸困難、消化器・泌尿生殖器症状、皮膚・関節症状、複視、めまい・聴覚症状、構音・嚥下障害、嗅覚・味覚障害、四肢の異常感覚・感覚鈍麻、立ちくらみ、膀胱・直腸障害はない。
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