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特集 日常診療に潜む「処方カスケード」—その症状、薬のせいではないですか? 【各論】
❹味覚障害—味覚障害はコロナとは限らない
著者: 笹木晋1
所属機関: 1愛仁会 高槻病院 総合内科
ページ範囲:P.1203 - P.1204
文献購入ページに移動COVID-19の大きな流行を経験しているが、そのなかで注目された症状が味覚障害である。COVID-19では、鼻閉がないのに味覚障害が起こることが特徴とされる。COVID-19の味覚障害の場合、何かを食べた、または飲んだ時に味覚が変わったことに気づくといった具合に、急性発症で、咽頭痛や咳などの呼吸器症状を伴うので、あまり他疾患との鑑別に悩む場面は少ないと思われる。しかし、COVID-19で味覚障害が起こることが医療関係者以外にも広く知れ渡るようになったため、COVID-19以外の病態で味覚障害が起こった患者が「COVID-19ではないか」と不安になり、外来を受診するようになった。本稿では、味覚障害の原因として重要な鑑別である薬剤について述べる。
参考文献
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