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文献詳細

雑誌文献

総合診療32巻10号

2022年10月発行

文献概要

特集 日常診療に潜む「処方カスケード」—その症状、薬のせいではないですか? 【各論】

❾嘔気—吐き気はクスリのリスク

著者: 中川龍太郎1 北和也1

所属機関: 1医療法人 やわらぎ会 やわらぎクリニック

ページ範囲:P.1219 - P.1221

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嘔気(nausea)とは、胃の内容物を口から吐き出したいという切迫した不快な感覚を咽頭部や心窩部に感じる状態である。原因としては薬剤の副作用が最も多く、通常は使用開始後早期に生じる1)。このため、嘔気・嘔吐を呈する患者を診察する際は、内服薬の聴取が重要であることは当然ながら、どの薬剤が嘔気の原因となりうるのかを知っておく必要がある。薬剤性に限らないが、嘔吐反射に伝達する経路があるため嘔気・嘔吐が出現しており、この経路を同定したうえで、適切なアプローチ(原因薬剤の中止・制吐薬の選択)が求められる。

参考文献

1)Quigley EM, et al : AGA technical review on nausea and vomiting. Gastroenterology 120(1) : 263-286, 2001. PMID 11208736
2)武井大輔,他:嘔気・嘔吐の薬物療法.日本緩和医療薬学雑誌(Jpn J Pharm Palliat Care Sci)2 : 111-117, 2009. 〈嘔気・嘔吐の機序と対応する薬物療法について書かれている〉
3)Navari RM, et al : Olanzapine for the treatment of advanced cancer-related chronic nausea and/or vomiting ; a randomized pilot trial. JAMA Oncol 6(6) : 895-899, 2020. PMID 32379269
4)日本リウマチ学会MTX診療ガイドライン策定小委員会(編):関節リウマチ治療におけるメトトレキサート(MTX)診療ガイドライン,2016年改訂版.羊土社,2016.
5)Ajmani S, et al : Methotrexate-induced pancytopenia ; a case series of 46 patients. Int J Rheum Dis 20(7) : 846-851, 2017. PMID 28261918

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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