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特集 日常診療に潜む「処方カスケード」—その症状、薬のせいではないですか? 【各論】
⓰高尿酸血症・痛風発作—その痛風発作、薬のせいではないですか?
著者: 鈴木智晴1
所属機関: 1社会医療法人 仁愛会 浦添総合病院 病院総合内科
ページ範囲:P.1242 - P.1244
文献購入ページに移動高尿酸血症の頻度は高く、わが国の全人口の男性では20%、女性では5%にみられる。痛風発作は高尿酸血症のある30代以上の男性の1%で発症している。高尿酸血症のある人口の80%に高血圧や脂質異常症、糖尿病や肥満などが併存すると言われており、食事や飲酒、ソフトドリンクの摂取などが高尿酸血症のリスクになることからも“生活習慣病”という側面があり1)、薬剤による高尿酸血症は意識されにくい。しかし、利尿薬を使用している患者の3%で痛風発作がみられ2)、実際には稀な病態ではない。薬剤による高尿酸血症は要因となっている薬剤の減量や変更により回避できる可能性もあり、高尿酸血症および痛風の診療において、薬剤性の原因を鑑別しておくことは非常に重要である。
参考文献
1)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会(編):高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン,第3版,2022年追補版.診断と治療社,2022.
2)Choi HK, et al : Obesity, weight change, hypertension, diuretic use, and risk of gout in men ; the health professionals follow-up study. Arch Intern Med 165(7) : 742-748, 2005. PMID 15824292
3)Ben Salem C, et al : Drug-induced hyperuricaemia and gout. Rheumatology (Oxford) 56(5) : 679-688, 2017. PMID 27498351
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