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文献詳細

雑誌文献

総合診療32巻10号

2022年10月発行

文献概要

オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・69

左手が使えない!

著者: 照屋翔二郎1 杉田周一12 本永英治1 徳田安春3

所属機関: 1沖縄県立宮古病院 2医療法人アイエスケイ杉田医院 3臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄センター

ページ範囲:P.1259 - P.1263

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CASE
患者:16歳、女性(高校生)。
主訴:左上肢の異常感覚と動かしづらさ。
現病歴:来院1年前から左手第5指の違和感を自覚し、来院9カ月前からは左手第5指が動かしづらくなり、楽器が上手く吹けなくなった。来院7カ月前からは左手の第4指や第3指まで症状が広がった。A病院を受診してビタミンB12製剤の服用が開始されたが、症状は改善しなかった。来院2カ月前に旅行先でB病院を受診して「尺骨神経麻痺の疑い」と判断され、地元での精査を勧められた。来院1カ月前から左頸部の「ジンジンするような」感覚が出てきたためA病院を再診し、精査目的に当院整形外科を受診した。整形外科で精査を継続する予定であったが、内科的疾患の可能性も考慮され、当科へ紹介となった。
既往歴:特記事項なし。
アレルギー:指摘なし。 家族歴:特記事項なし。
生活歴:楽器を演奏している。小児期に成長発達の遅れを指摘されたことはない。学校の体育の成績も大きな問題はない。

参考文献

1)徳田安春:Dr.徳田の診断推論講座,第2版(動画付き).日本医事新報社,2020.
1)Mayo clinic: Syringomyelia. https://www.mayoclinic.org/diseasesconditions/syringomyelia/symptoms-causes/syc-20354771(2022年8月5日閲覧) 〈非医療者向けだが、脊髄空洞症について簡潔にまとめられている〉
2)下畑享良(編著):脳神経内科診断ハンドブック.中外医学社,2022. 〈脊髄空洞症の診断とわが国での報告について記載されている〉
3)McClugage SG, et al : The Chari Ⅰ malformation. J Neurosurg Pediatr 24(3) : 217-226, 2019 〈Chiari 奇形1型の総論的知識が記載されている〉
4)日本神経治療学会(監),福武敏夫,他(編):標準神経治療—しびれ感.医学書院,2018. 〈しびれや疼痛に対して焦点を置いた考察が記載されている〉
5)飛松省三:ここからはじめる!—神経伝導検査・筋電図ナビ.南山堂,2019. 〈神経伝導検査と筋電図における基本的知識や実践方法が記載されている〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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