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【臨床小説—第二部】後悔しない医者|今と未来をつなぐもの・第30話
自分を信じる医者
著者: 國松淳和1
所属機関: 1医療法人社団永生会 南多摩病院 総合内科・膠原病内科
ページ範囲:P.1276 - P.1282
文献購入ページに移動前回までのあらすじ 今月のナゾ
ある日の金曜、向後チーム定例のカンファレンスで、左座から気になる外来症例が共有された。患者は16歳・男性で高校1年生。頭ケ島白浜病院がある五島の出身だが、この春、長崎市内の県下有数の進学校に入学した。しかし4月下旬から、体がだるくて朝起きられず、頭痛もあり、今は学校に行けなくなっている。中学時代は、3年時には登校前の腹痛や下痢こそ時折あったが、文武両道で活動的なリーダー的存在だった。複数の医療機関を受診するも改善せず、数カ月にわたるつかみどころのない症状を前に、左座の診療も手探り状態になっている。右井は起立性調整障害の可能性を指摘したが…。
不登校。この問題は一筋縄では解決しない。身体症状を伴うことも多く、総合診療外来や一般内科を受診することも少なくない。思春期は小児科診療との間にあり、身体も心も激変していく時だ。小児科医あるいは精神科医ではなく「内科医」として、思春期の不登校にどうアプローチすることができるだろう?
ある日の金曜、向後チーム定例のカンファレンスで、左座から気になる外来症例が共有された。患者は16歳・男性で高校1年生。頭ケ島白浜病院がある五島の出身だが、この春、長崎市内の県下有数の進学校に入学した。しかし4月下旬から、体がだるくて朝起きられず、頭痛もあり、今は学校に行けなくなっている。中学時代は、3年時には登校前の腹痛や下痢こそ時折あったが、文武両道で活動的なリーダー的存在だった。複数の医療機関を受診するも改善せず、数カ月にわたるつかみどころのない症状を前に、左座の診療も手探り状態になっている。右井は起立性調整障害の可能性を指摘したが…。
不登校。この問題は一筋縄では解決しない。身体症状を伴うことも多く、総合診療外来や一般内科を受診することも少なくない。思春期は小児科診療との間にあり、身体も心も激変していく時だ。小児科医あるいは精神科医ではなく「内科医」として、思春期の不登校にどうアプローチすることができるだろう?
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