文献詳細
Editorial
本当にmedically unexplained? フリーアクセス
著者: 片岡仁美1
所属機関: 1岡山大学病院 総合内科・総合診療科
ページ範囲:P.1287 - P.1287
文献概要
最近では「MUS(medically unexplained symptoms)」という概念も浸透してきたが、これについても明確な診断基準はなく、他の病態との重なりもある概念である。なかでも「機能性身体症候群(functional somatic syndromes:FSS)」は、特に重要な概念である。本特集を企画している時にちょうど発表された西山順滋先生の論文1)は、まさに自分が言語化したかったことが綿密なデータで示されたもので、膝を打つ思いで今回の総論(p.1300)をご執筆いただいた次第である。FSSを明確に診断することによって、混沌として見えるMUSの中に、一連の共通性をもった疾患群が浮かび上がるように思われる。FSSの疾患群は互いに合併することも多く、「中枢性感作症候群(central sensitization syndromes:CSS)」の概念とも重なることから、共通のメカニズムを有している可能性があるのではないかと感じる。MUSを少しでも可視化できたらという思いで、岡田宏基先生(宇多津病院 心療内科、p.1328)が提唱された概念図を、岡田先生とともにアップデートして掲載させていただいた(p.1298)。
参考文献
掲載誌情報