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特集 不定愁訴にしない“MUS”診療—病態からマネジメントまで 【総論】
❶ひと目でわかるMUS
著者: 片岡仁美1
所属機関: 1岡山大学病院 総合内科・総合診療科
ページ範囲:P.1298 - P.1299
文献購入ページに移動 医学的に説明のつかない症状や愁訴は、わが国では「不定愁訴」と呼ばれてきた。疾患としての診断基準を満たさない症状や機能障害のうち、前者は「MUS」、後者は「機能性身体症候群(FSS)」(p.1331)と表現される。全体像がつかみにくいMUSを少しでも可視化できたらと考えていた時、岡田宏基先生(宇多津病院 心療内科、p.1328)による概念図1)に出会った。これを、岡田先生にも監修いただき、「ひと目でわかるMUS」として改変して作成したのが右図である(岡田先生の原図はp.1302)。
MUSは、「FSS」と「身体症状症(SSD)」を中心とした多要素を含む概念であるが、重要なのは1人1人の患者さんがどのカテゴリーに属するかを検証していくことであろう。また、MUSには「未診断の器質的疾患」も含まれている。医師側の問題として未診断である場合もあるし、現時点の限界としてまだ診断できない疾患概念もあるだろう。そのことにも、われわれは謙虚である必要があるかもしれない。
MUSは、「FSS」と「身体症状症(SSD)」を中心とした多要素を含む概念であるが、重要なのは1人1人の患者さんがどのカテゴリーに属するかを検証していくことであろう。また、MUSには「未診断の器質的疾患」も含まれている。医師側の問題として未診断である場合もあるし、現時点の限界としてまだ診断できない疾患概念もあるだろう。そのことにも、われわれは謙虚である必要があるかもしれない。
参考文献
1)岡田宏基:MUS,FSS,身体表現性障害,そして心身症—概念の理解と整理についての私案および 一般医へのトレーニングプログラム. 心身医学 54(11) : 991-1000, 2014.
2)Fink P, et al:Functional Disorders and Medically Unexplained Symptoms; Assessment and Treatment、 Aarhus University Press, 2015.
3)宮崎仁:MUS(medically unexplained symptoms)—心療への扉となるもの.日本臨牀 92(2) : 213-218, 2010.
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