文献詳細
文献概要
特集 不定愁訴にしない“MUS”診療—病態からマネジメントまで 【総論】
❸MUSの診方—診断・治療から「患者のwell-being」へ
著者: 加藤光樹1
所属機関: 1まどかファミリークリニック
ページ範囲:P.1304 - P.1306
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全身の疼痛を訴える女性
患者:70歳、女性
現病歴:全身の疼痛、下肢のしびれ、腹部の灼熱感、背部の重みが続いている。「線維筋痛症」(p.1339)と考え、さまざまな薬物療法(鎮痛薬、SNRI〔セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬〕、三環系抗うつ薬、弱オピオイドなど)を試すも、不応であるか、副作用のため中止となることを繰り返していた。大学病院のペインクリニックで精査を受けるも、症状を説明できるような異常は指摘できず、改善に至らなかった。何か特別な対応があるわけではないものの、痛みがひどい時は近医を受診し、医師と会話をして帰っていく。
全身の疼痛を訴える女性
患者:70歳、女性
現病歴:全身の疼痛、下肢のしびれ、腹部の灼熱感、背部の重みが続いている。「線維筋痛症」(p.1339)と考え、さまざまな薬物療法(鎮痛薬、SNRI〔セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬〕、三環系抗うつ薬、弱オピオイドなど)を試すも、不応であるか、副作用のため中止となることを繰り返していた。大学病院のペインクリニックで精査を受けるも、症状を説明できるような異常は指摘できず、改善に至らなかった。何か特別な対応があるわけではないものの、痛みがひどい時は近医を受診し、医師と会話をして帰っていく。
参考文献
1)Dowrick C :不定愁訴と一般医.In Burton C(ed).2013/竹本毅(訳):不定愁訴のABC,pp38-45,日経BP,2014. 〈プライマリ・ケアの現場における不定愁訴の診療の仕方についてまとまっている〉
2)Cassell EJ : The Nature of Healing ; The Modern Practice of Medicine. Oxford University Press, New York, 2012. 〈「苦悩」と「癒し」という概念が紹介されており、疾患を治すこと以外にも、患者のwell-beingのために医師にできることはあると説かれている〉
3)Egnew TR : The meaning of healing ; transcending suffering. Ann Fam Med 3(3) : 255-262, 2005. PMID 15928230 〈「全体性」「苦悩」「癒し」の概念についてまとめられており、現代を生きるプライマリ・ケア医には必読の文献である〉
4)Reeve J : Interpretive medicine ; supporting generalism in a changing primary care world. Occas Pap R Col Gen Pract(88) : 1-20, v, 2010. PMID 21805819 〈「interpretive medicine」とは何か、なぜ今それが求められているのかについて、説得力ある記述がある必読文献〉
5)加藤光樹(編):総合診療の視点で診る不定愁訴診療—患者中心の医療の方法.日本医事新報社,2020. 〈「患者中心の医療の方法」という視点から、不定愁訴の診方を提案している。p.1391〉
6)Haller H, et al : Somatoform disorders and medically unexplained symptoms in primary care. Dtsch Arztebl Int 112(16) : 279-287, 2015. PMID 25939319
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