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文献詳細

雑誌文献

総合診療32巻2号

2022年02月発行

文献概要

特集 —withコロナ—かぜ診療の心得アップデート 【総論】

「かぜ」って何?

著者: 高倉俊一1

所属機関: 1沖縄県立中部病院 感染症内科

ページ範囲:P.158 - P.164

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Case
開口障害を伴う扁桃周囲膿瘍の1例
患者:34歳、男性。 既往歴:特になし。
現病歴:来院5日前から39℃台の発熱、咽頭痛、来院3日前から乾性咳、鼻汁が出現し、症状が軽快しないため当院救急センターを受診した。症状について詳しく病歴聴取すると、「咽頭痛は非常に強く食事も喉を通らないほど。口も少ししか開かない。鼻汁はあるがごく軽度で、咳は咽頭痛による喉の引っかかりから生じる程度でほとんどない」とのことだった。身体所見では、開口障害のため一横指しか口が開かず、咽頭・扁桃は確認できなかった。病歴・身体所見から扁桃周囲膿瘍を疑い、頸部造影CT検査を施行し、左扁桃に周囲の造影効果を伴う低吸収域を認めた。左扁桃周囲膿瘍の診断で入院となり、切開排膿・抗菌薬開始となった。

参考文献

1)Heikkinen T, et al : The common cold. Lancet 361(9351) : 51-59, 2003. PMID 12517470 〈普通感冒に関する総説〉
2)田坂佳千:“かぜ”症候群の病型と鑑別疾患.今月の治療13(12) : 1217-1221, 2005. 〈かぜの病型分類が記載された有名な総説〉
3)田坂佳千:日常診療でのかぜ症候群に対するアプローチ.治療 85(12) : 3107-3113, 2003. 〈かぜ診療の具体的なアプローチが記載された有名な総説〉
4)Harris AM, et al : High-value care from the American College of Physicians and the Centers for Disease Control and Prevention. Appropriate antibiotic use for acute respiratory tract infection in adults ; advice for high-value care from the American College of Physicians and the Centers for Disease Control and Prevention. Ann Intern Med 164(6) : 425-434, 2016. PMID 26785402 〈米国内科学会とCDC(米国疾病予防管理センター)による上気道炎に対する抗菌薬適正使用を記載〉
5)岸田直樹:誰も教えてくれなかった「風邪」の診かた—感染症診療12の戦略,第2版.医学書院,2019. 〈かぜ診療のアプローチが詳細にわかりやすくまとめられている〉
6)Petersen I, et al : Protective effect of antibiotics against serious complications of common respiratory tract infections ; retrospective cohort study with the UK General Practice Research Database. BMJ 335(7627) : 982, 2007. PMID 17947744 〈上気道炎に抗菌薬を投与し、合併症を防ぐためのNNTが評価された論文〉
7)青木眞:レジデントのための感染症診療マニュアル,第4版.医学書院,2020. 〈言わずと知れた感染症診療のバイブル〉
8)Tokuda Y, et al : The degree of chills for risk of bacteremia in acute febrile illness. Am J Med 118(12) : 1417, 2005. PMID 16378800 〈悪寒戦慄の尤度比を評価・検討した論文〉
9)山本舜悟(編著):かぜ診療マニュアル,第3版.日本医事新報社,2019. 〈かぜ診療のアプローチが詳細にわかりやすくまとめられている〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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