文献詳細
文献概要
特集 —withコロナ—かぜ診療の心得アップデート 【各論】
—かぜ診療の基本—❹せき型—急性気管支炎
著者: 松村榮久1
所属機関: 1松村医院
ページ範囲:P.179 - P.182
文献購入ページに移動Case
バイタルサインとシック・コンタクトが有用であった1例
患者:36歳、男性。
主訴:発熱、咳嗽。
現病歴:特に既往歴や基礎疾患はなく、3日前までは全く健康であった。2日前より発熱、咳嗽があり、当日朝より体温39.5℃となり、当院受診。鼻汁や咽頭痛なく、喀痰、胸膜痛なし。体温40.6℃、脈拍数132回/分、呼吸数24回/分、SpO2 96%、呼吸音異常なし。胸部X線で左下葉S8に浸潤影あり。血液検査でWBC 11,300/μL、CRP 12.5mg/dL。シック・コンタクトを尋ねると、1歳の娘が2週間前に発熱、痙攣で入院し、マイコプラズマ肺炎であった。比較的徐脈を認め家族内マイコプラズマ感染と判断し、ジスロマックSR® 1g内服。翌日38℃、翌々日36℃と解熱、咳嗽も軽快した。バイタルサインとシック・コンタクトが診断に有用であった。
バイタルサインとシック・コンタクトが有用であった1例
患者:36歳、男性。
主訴:発熱、咳嗽。
現病歴:特に既往歴や基礎疾患はなく、3日前までは全く健康であった。2日前より発熱、咳嗽があり、当日朝より体温39.5℃となり、当院受診。鼻汁や咽頭痛なく、喀痰、胸膜痛なし。体温40.6℃、脈拍数132回/分、呼吸数24回/分、SpO2 96%、呼吸音異常なし。胸部X線で左下葉S8に浸潤影あり。血液検査でWBC 11,300/μL、CRP 12.5mg/dL。シック・コンタクトを尋ねると、1歳の娘が2週間前に発熱、痙攣で入院し、マイコプラズマ肺炎であった。比較的徐脈を認め家族内マイコプラズマ感染と判断し、ジスロマックSR® 1g内服。翌日38℃、翌々日36℃と解熱、咳嗽も軽快した。バイタルサインとシック・コンタクトが診断に有用であった。
参考文献
1)Snow V, et al : Principles of appropriate antibiotic use for treatment of acute bronchitis in adults. Ann Intern Med 134(6) : 518-520, 2001. PMID 11255531 〈米国内科学会ポジション・ペーパー、学会として抗菌薬適正使用に触れた画期的な論文〉
2)日本呼吸器学会市中肺炎診療ガイドライン作成委員会(編):成人市中肺炎診療ガイドライン—日本呼吸器学会「呼吸器感染症に関するガイドライン」.日本呼吸器学会,2007. 〈市中肺炎ガイドライン改訂版、重症度分類としてA-DROPを記載〉
3)Heckerling PS, et al : Clinical predcition rule for pulmonary infiltrates. Ann Intern Med 113(9) : 664-670,1990. PMID 2221647 〈救急外来において臨床症状と身体所見から肺炎を予測する古典的な予測ツール〉
4)宮城征四郎(監),入江聰五郎(著):バイタルサインからの臨床診断—豊富な症例演習で病態を見抜く力がつく! 改訂版.羊土社,2017. 〈バイタルサインの生理学的意義と有用性を解説した画期的な一冊〉
5)日本呼吸器学会市中肺炎診療ガイドライン作成委員会(編):成人市中肺炎診療の基本的考え方—日本呼吸器学会「呼吸器感染症に関するガイドライン」.日本呼吸器学会,2000. 〈わが国での最初の市中肺炎ガイドライン〉
掲載誌情報