総合診療32巻2号

2022年02月発行

特集 —withコロナ—かぜ診療の心得アップデート 【各論】

—患者特性に応じたかぜ診療—❾小児のかぜ

著者： 継仁¹ 今井丈英² 小松﨑英樹³

所属機関： ¹継醫院 ²山口小児クリニック ³小児科皮膚科こまつざき医院

ページ範囲：P.203 - P.207

Case
患者：2歳、男児。
現病歴：発熱、咳嗽および喘鳴を主訴に、母親に連れられて来院。数日前から鼻汁と咳嗽を認め、今朝から発熱が出現し、息苦しそうであったため受診した。意識は清明。❶体温37.8℃。❷脈拍数120回/分、整。❸呼吸数48回/分。❹SpO₂ 98％（room air）。❺毛細血管再充満時間1秒。呼気性喘鳴を聴取する。顔色はやや不良で、口唇チアノーゼは認めない。咽頭発赤を認める。胸骨上部と肋間に陥没呼吸を認める。
Ⓠ上記の下線部のうち緊急性が高いことを示唆するのはどれか？　※ 解答・解説は後述（p.205）（第115回医師国家試験B問題30より）

参考文献

1）Lopez SMC, et al : Common cold. In Kliegman RM, et al : Nelson Textbook of Pediatrics. pp2185-2188, Elsevier, Amsterdam, 2019.

2）Shoji K, et al : Clinical characteristics of hospitalized COVID-19 in children ; report from the COVID-19 registry in Japan. J Pediatric Infect Dis Soc piab 085 : Online ahead of print, 2021. PMID 34487185 〈日本における小児新型コロナウイルス感染症の症状の検討〉

3）Shah SN, et al : Does this child have pneumonia? ; the rational clinical examination systematic review. JAMA 318（5） : 462-471, 2017. PMID 28763554 〈小児の肺炎の診断には、頻呼吸や聴診よりも努力呼吸が重要〉

4）Chonmaitree T, et al : Viral upper respiratory tract infection and otitis media complication in young children. Clin Infect Dis 46（6） : 815-823, 2008. PMID 18279042 〈乳幼児ウイルス性上気道炎に急性中耳炎合併の発症時期について〉

5）Cioffredi LA, et al : Evaluation and management of febrile children ; a review. JAMA Pediatr 170（8） : 794-800, 2016. PMID 27322346 〈3カ月未満の発熱児に重症細菌感染症は9〜14％。原因菌は大腸菌が多い〉

6）継仁，他：小児のけいれんのコンサルテーション．レジデントノート22（4） : 702-710, 2020. 〈ワクチン接種により起因菌が変化〉