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雑誌文献

総合診療32巻2号

2022年02月発行

文献概要

投稿 総合診療病棟

大柴胡湯去大黄による薬剤性間質性肺炎を早期診断加療し、救命できた1例

著者: 石田洋子1 吉野鉄大2 正木克宜1 渡辺賢治2 福永興壱1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部 内科学(呼吸器) 2慶應義塾大学医学部 漢方医学センター

ページ範囲:P.252 - P.255

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 今回われわれは、大柴胡湯去大黄による薬剤性間質性肺炎を経験した。症例は76歳、男性。大柴胡湯去大黄に対する薬剤誘発性リンパ球刺激試験(DLST: drug-induced lymphocyte stimulation test)は陽性であり、検査結果や臨床経過を含めて総合的に薬剤性間質性肺炎と診断した。投薬中止とステロイド療法により、呼吸状態が著明に改善し、独歩退院となった。

参考文献

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11)山口哲生:漢方薬による薬剤性肺炎.成人病と生活習慣病 37(3) : 307-312, 2007.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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