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特集 えっ、これも!? 知っておきたい! 意外なアレルギー疾患 【知っておきたい! 意外なアレルギー疾患】
❾水虫による喘息
著者: 砂川智佳1
所属機関: 1洛和会丸太町病院 救急・総合診療科
ページ範囲:P.478 - P.480
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患者:58歳、男性。35歳頃に気管支喘息の診断を受けて定期通院していたが、服薬コンプライアンス不良があり、頻回に発作を繰り返していた。今回は自動車整備の仕事中に呼吸困難感が出現し、サルブタモール硫酸塩を3回吸入したが、呼吸困難感が治まらないため、当院救急外来を受診した。患者に既知のアレルギー歴、喫煙歴、動物との接触歴はなかった。自動車整備の仕事をしており、粉塵の曝露歴はあった。また10年以上前から足白癬、爪白癬、体部白癬を疑う病変があったが、検査・治療はしていなかった。IgE RIST 896IU/mL、トリコフィトン特異的IgE抗体価2.12Ua/mL(class 2)であった。MAST36アレルゲン検査はすべて陰性。足の指間と爪から採取した検体を鏡検すると、糸状菌陽性であった。
患者:58歳、男性。35歳頃に気管支喘息の診断を受けて定期通院していたが、服薬コンプライアンス不良があり、頻回に発作を繰り返していた。今回は自動車整備の仕事中に呼吸困難感が出現し、サルブタモール硫酸塩を3回吸入したが、呼吸困難感が治まらないため、当院救急外来を受診した。患者に既知のアレルギー歴、喫煙歴、動物との接触歴はなかった。自動車整備の仕事をしており、粉塵の曝露歴はあった。また10年以上前から足白癬、爪白癬、体部白癬を疑う病変があったが、検査・治療はしていなかった。IgE RIST 896IU/mL、トリコフィトン特異的IgE抗体価2.12Ua/mL(class 2)であった。MAST36アレルゲン検査はすべて陰性。足の指間と爪から採取した検体を鏡検すると、糸状菌陽性であった。
参考文献
1)National Asthma Education and Prevention Program : Expert Panel Report 3 ; Guidelines for the Diagnosis and Management of Asthma. National Heart, Lung, and Blood Institute, 2007.
2)仲 弥,他:足白癬・爪白癬の実態と潜在罹患率の大規模疫学調査(Foot Check 2007).日臨皮誌 26(1) : 27-36, 2009.
3)日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン改訂委員会:日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン2019.日皮会誌129(13):2639-2673, 2019.
4)Woodfolk JA:Allergy and dermatophytes. Clin Microbio Rev 18(1):30-43, 2005. PMID 15653817
5)Ward GW Jr, et al:Treatment of late-onset asthma with fluconazole. J Allergy Clin Immunol 104:541-546, 1999. PMID 10482825
6)Matsuoka H, et al:Specific IgE response to trichophyton and asthma severity. CHEST 135(4):898-903, 2009. PMID 19188557
7)星理恵,他:トリコフィトンの職業性曝露が増悪の原因と考えられた気管支喘息の1例.アレルギー 60(2):207-213, 2011.
8)Ward GW Jr, et al:Trichophyton asthma ; sensitisation of bronchi and upper airways to dermatophyte antigen. Lancet 1(8643):859-862, 1989. PMID 2564948
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