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#総合診療
#書評:ぼくとがんの7年
著者: 山本健人1
所属機関: 1田附興風会医学研究所北野病院消化器外科
ページ範囲:P.499 - P.499
文献購入ページに移動 医師になって8年目の夏、私は初めて全身麻酔手術を体験した。病名は、右肩の腱板断裂。4本のうち2本が断裂し、上腕二頭筋腱も損傷しているという、ひどい状態だった。整形外科で手術を受け、入院は3週間、通院でのリハビリは1年にわたった。
その時の経験は、今でも自分の肥やしになっている。治療の副作用や合併症への不安、検査のつらさ、全身麻酔に対する恐怖。患者に対してなら「大したことはありませんよ」と笑顔で話せたことの数々が、当事者にすればあまりに重かった。患者の立場になり、見えなかったものが見えたのだ。
その時の経験は、今でも自分の肥やしになっている。治療の副作用や合併症への不安、検査のつらさ、全身麻酔に対する恐怖。患者に対してなら「大したことはありませんよ」と笑顔で話せたことの数々が、当事者にすればあまりに重かった。患者の立場になり、見えなかったものが見えたのだ。
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