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音に聴く所見
著者: 若林崇雄1 石立尚路1 須藤大智1 渡邉智之1 スフィ・ノルハニ1
所属機関: 1JCHO札幌北辰病院 総合診療科
ページ範囲:P.505 - P.506
文献購入ページに移動患者:重喫煙歴と飲酒歴のある、79歳、男性。
現病歴:3カ月持続する呼吸困難感の急激な増悪を訴えて外来受診した。当科受診の3カ月前より呼吸困難を自覚していたが、市販薬で経過観察していた。受診3日前より呼吸困難感が増悪した。喀痰の量は変わらないが、喉のつまり感が増悪しているという。当初、当院の耳鼻咽喉科を受診したが、喉頭ファイバー等の検査で異常が見つからず、肺炎や喘息など下気道疾患精査目的で総合診療科に紹介された。
受診時のバイタルサイン:意識清明、血圧155/88mmHg、脈拍数79回/分 整、体温36.6℃(腋窩温)、呼吸数25回/分、SpO2 94%。
既往歴:心筋梗塞。
飲酒歴:種類を問わず多量に飲酒していた。
喫煙歴:50歳まで20本/日。
体重減少:最近1カ月で5kgの減少を認める。ただし嚥下や食事摂取に支障はなかった。
身体所見:肺野には呼吸性雑音を聴取しなかった。しかし、吸気時により強い一定の音調(monophonic)を頸部甲状軟骨付近に聴取した。この喘鳴は努力呼吸で増強した。会話は可能だった。上記の所見により頸部〜胸部造影CTをオーダーした(図1、2)。
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