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耳の痛い話
著者: 若林崇雄1 古川直幸1 石立尚路1 須藤大智1 渡邉智之1 スフィ・ノルハニ1
所属機関: 1JCHO札幌北辰病院 総合診療科
ページ範囲:P.507 - P.508
文献購入ページに移動患者:特記すべき既往のない、82歳、女性。
主訴:2カ月前から持続する耳漏と3日間持続する発熱を訴えて紹介受診。2カ月前より血性の耳漏を右耳に認めていたが、夫の看病・逝去のため耳鼻科に受診できていなかった。受診3日前より倦怠感と共に38℃台の発熱を認め近医受診し、血液検査で炎症反応の高値を指摘され当科に紹介受診。
受診時のバイタルサイン:意識清明、血圧140/73mmHg、脈拍数100回/分 整、体温38.5℃(腋窩温)、呼吸数16回/分。
身体所見:一般内科診察で異常を認めなかったものの、著明な右耳の耳漏を認めた。咽頭痛および口腔内に齲歯や咽頭炎、扁桃炎は見られなかった。頸部に若干の圧痛を認め、嚥下時痛を訴えた。
血液検査:高度の炎症反応(WBC 35,060/μL、Neut 97%、CRP 27.67mg/dL)と共に軽度の肝障害(ALP 193IU/L、γ-GTP 92IU/L、LDH 264IU/L)を認めた。胸部単純X線で両側下肺野に浸潤影を認めたため、頸部から骨盤に至るまで造影CTで精査した(図1、2、3)。
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