文献詳細
文献概要
特集 「診断エラー」を科学する!—セッティング別 陥りやすい疾患・状況 【セッティングⅡ】入院診療
❷医療関連感染症
著者: 濵田洋平1 青木洋介12
所属機関: 1佐賀大学医学部附属病院 感染制御部 2佐賀大学医学部国際医療学講座 臨床感染症学分野
ページ範囲:P.575 - P.578
文献購入ページに移動肺炎やCOVID-19が疑われたが「カテーテル関連血流感染症」の診断に至った一例
患者:74歳、男性
既往歴:脳梗塞
病歴:咽頭がんの手術目的で入院となったが、術前に39℃台の発熱がみられた。脳梗塞と咽頭がんによる嚥下障害があったことと入院後まもないことから、「肺炎」もしくは「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)」の可能性が考えられ、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)PCR検査の施行とスルバクタム・アンピシリンの投与が開始された。PCR検査は陰性であったが、血液培養2セットからメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus : MRSA)が分離され、「カテーテル関連血流感染症」の診断となり、バンコマイシンの投与で改善した。
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