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文献詳細

雑誌文献

総合診療32巻5号

2022年05月発行

文献概要

オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・64

新型コロナ流行期の呼吸不全は、やっぱり呼吸器疾患!?

著者: 上原裕子1 仲里信彦1 徳田安春2

所属機関: 1沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 総合内科 2臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄センター

ページ範囲:P.618 - P.623

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CASE
患者:85歳、女性。
主訴:活気低下。
現病歴:不安障害で近医通院中。発症時期は不明だが眼瞼下垂があり、来院3週間前に眼科で両側眼瞼挙上術が施行された。その頃から歩行時に背中が曲がる(前傾歩行)、転倒が目立つなどの症状に加え、患者の声が聞き取りづらいことに家族が気づいた。食事も途中でやめたり、活気の低下も見られていたため、それに対してかかりつけ医より漢方薬が処方された。しかし、その2週間経過後も症状は改善せず、再受診した際に発熱、低酸素血症があり、胸部CTでCOVID-19を含めた肺炎を疑われて当院紹介となった。嚥下困難、著明な咳嗽などは明らかでなかった。
既往歴:胆石性胆囊炎(約10年前に胆囊摘出)、白内障(1年前に両側手術)、不安障害(5年ほど前から通院)、眼瞼下垂(両側眼瞼挙上術、3週間前)。
常用薬:ニトラゼパム10mg、ロラゼパム1.5mg、香蘇散3包。
生活歴:夫と同居。basic ADL(基本的日常生活動作)は保たれていた。喫煙・飲酒歴なし。

参考文献

1)Beekman R, et al : Myasthenia gravis ; diagnosis and follow-up of 100 consecutive patients. J Neurol 244(2) : 112-118, 1997. PMID 9120493
2)Cortés-Vicente E, et al : Clinical and therapeutic features of myasthenia gravis in adults based on age at onset. Neurology 94(11) : e1171-e1180, 2020. PMID 32071167
3)Dragusin A, et al : Low fluctuation of symptoms may delay diagnosis of myasthenia gravis ; a case series. Neurol Ther 11(1) : 481-487, 2022. PMID 34921343
1)Murai H, et al : Characteristics of myasthenia gravis according to onset-age ; Japanese nationwide survey. J Neurol Sci 305(1-2) : 97-102, 2011. PMID 21440910
2)Cabrera Serrano M, et al : Causes and outcomes of acute neuromuscular respiratory failure. Arch Neurol 67(9) : 1089-1094, 2010. PMID 20837853
3)Restivo DA, et al : Myasthenia gravis associated with SARS-CoV-2 infection. Ann Intern Med 173(12) : 1027-1028, 2020. PMID 20837853
4)日本神経学会(監),「重症筋無力症診療ガイドライン」作成委員会(編):重症筋無力症診療ガイドライン2014. p10,南江堂,2014.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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