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特集 総合診療外来に“実装”したい最新エビデンス—My Best 3 【知っておきたい!Common Disease最新エビデンスMy Best 3】
⓫進行期・終末期心不全
著者: 大森崇史1
所属機関: 1飯塚病院 連携医療・緩和ケア科/心不全ケア科
ページ範囲:P.723 - P.726
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LVEFの低下した心不全の薬の最適な組み合わせはどれ?
心不全の薬物治療の進歩は目覚ましい。1980年代、LVEF(左室駆出率)の低下した心不全(heart failure with reduced ejection fraction : HFrEF)の治療薬は、ジゴキシンと利尿薬のみであった。1990年頃からACEI(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)、βB(β遮断薬)、MRA(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬)、ARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)が加わった。それからしばらくは、薬剤に関する大きなアップデートはなかったが、2010年代に入り、ARNI(アンジオテンシン受容体-ネプリライシン阻害薬)が登場した。これだけある薬剤をすべて投与するのはあまり現実的ではないし、ポリファーマシーの観点からも問題となる。それらの薬剤をどのように組み合わせればよいか、30年にわたるエビデンスを集約したネットワークメタアナリシスを紹介する。その結果、「ARNI+βB+MRA」による治療が最も死亡率が低いことが報告された。コストパフォーマンスで言えば、ジェネリック医薬品が揃っている「ACEI+βB+MRA」または「ACEI+βB」がよさそうだ。
LVEFの低下した心不全の薬の最適な組み合わせはどれ?
心不全の薬物治療の進歩は目覚ましい。1980年代、LVEF(左室駆出率)の低下した心不全(heart failure with reduced ejection fraction : HFrEF)の治療薬は、ジゴキシンと利尿薬のみであった。1990年頃からACEI(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)、βB(β遮断薬)、MRA(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬)、ARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)が加わった。それからしばらくは、薬剤に関する大きなアップデートはなかったが、2010年代に入り、ARNI(アンジオテンシン受容体-ネプリライシン阻害薬)が登場した。これだけある薬剤をすべて投与するのはあまり現実的ではないし、ポリファーマシーの観点からも問題となる。それらの薬剤をどのように組み合わせればよいか、30年にわたるエビデンスを集約したネットワークメタアナリシスを紹介する。その結果、「ARNI+βB+MRA」による治療が最も死亡率が低いことが報告された。コストパフォーマンスで言えば、ジェネリック医薬品が揃っている「ACEI+βB+MRA」または「ACEI+βB」がよさそうだ。
参考文献
1)Zinman B, et al : Empagliflozin, cardiovascular outcomes, and mortality in type 2 diabetes. New Engl J Med 373(22) : 2117-2128, 2015. PMID 26378978
2)2021 update to the 2017 ACC Expert Consensus Decision Pathway for Optimization of Heart Failure Treatment ; answers to 10 pivotal issues about heart failure with reduced ejection fraction ; a report of the American College of Cardiology Solution Set Oversight Committee. J Am Coll Cardiol 77(6) : 772-810, 2021. PMID 33446410
3)2021 ESC guidelines for the diagnosis and treatment of acute and chronic heart failure. Escardio.org. 2021. https://www.escardio.org/Guidelines/Clinical-Practice-Guidelines/Acute-and-Chronic-Heart-Failure(2022年3月28日閲覧)
4)日本循環器学会,他:2021年JCS/JHFSガイドライン フォーカスアップデート版 急性・慢性心不全診療.日本循環器学会,2021.
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