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文献詳細

雑誌文献

総合診療32巻6号

2022年06月発行

文献概要

オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・65

発熱、頭痛ときたら…

著者: 宇佐美福人1 鈴木智晴1 徳田安春2

所属機関: 1浦添総合病院 病院総合内科 2臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄センター

ページ範囲:P.763 - P.767

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CASE
患者:46歳、女性。
主訴:発熱、頭痛。
現病歴:繰り返す尿路感染症と細菌性髄膜炎の既往あり。1週間前から頻尿と排尿時痛があったが、一時的な症状であり、その後は一旦軽快していた。5日前に発熱、頭痛、関節痛を主訴に当院の救急外来を受診したところ、急性上気道炎の診断でアセトアミノフェンを処方されて帰宅した。その後も38〜39℃台の発熱が続き、頭痛が増強してきたため、救急外来を再受診した。
既往歴:細菌性髄膜炎(24歳)、急性腎盂腎炎、繰り返す膀胱炎。
内服歴:特記事項なし。
家族歴:特記事項なし。
アレルギー:なし。

参考文献

1)Sieger N, et al : Acute focal bacterial nephritis is associated with invasive diagnostic procedures ; a cohort of 138 cases extracted through a systematic review. BMC Infect Dis 17(1) : 240, 2017. PMID 28376724 〈急性巣状細菌性腎炎のシステマティックレビュー。起因菌として最多だったのは大腸菌であった(83%)〉
2)日本神経学会,他(監),「細菌性髄膜炎診療ガイドライン」作成委員会(編):細菌性髄膜炎診療ガイドライン 2014.南江堂,2015. 〈細菌性髄膜炎の起因菌がリストアップされている〉
3)Leazer R, et al : Epidemiology of cerebrospinal fluid culture and time to detection in term infants. Pediatrics 139(5) : e20163268, 2017. PMID 28557739 〈小児の髄液培養陽性時のコンタミネーションと、真の陽性との培養陽性までの経過時間についての研究。陽性例の81.1%は36時間以内に陽性となった〉
4)Uchihara T, et al : Jolt accentuation of headache ; the most sensitive sign of CSF pleocytosis. Headache 31(3) : 167-171, 1991. PMID 2071396 〈jolt accentuationを初めて提唱した研究で、髄液細胞数増多に対する感度は97%であった〉
5)Tamune H, et al : Absence of jolt accentuation of headache cannot accurately rule out meningitis in adults. Am J Emerg Med 31(11) : 1601-1604, 2013. PMID 24070978 〈三次医療機関での後ろ向きコホート研究。髄液細胞数増多に対するjolt accentuationの感度は64%・特異度は43%であった〉
6)Iguchi M, et al : Diagnostic test accuracy of jolt accentuation for headache in acute meningitis in the emergency setting. Cochrane Database Syst Rev 6(6) : CD012824, 2020. PMID 32524581 〈救急外来でのjolt accentuationについてのメタアナリシス。意識障害のない患者における感度は75.2%で、髄膜炎の除外に十分なほどの感度はなかった〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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