文献詳細
文献概要
What's your diagnosis?[235]
大成功! 感動大作戦
著者: 伊藤裕司1
所属機関: 1中東遠総合医療センター 総合内科
ページ範囲:P.794 - P.797
文献購入ページに移動病歴
患者:66歳、男性
主訴:発熱、頭痛、皮疹
現病歴:入院10カ月前、数cm大の瘙痒感を伴う皮疹、38℃台の発熱、顔の腫れ、頭痛を訴えて当科紹介受診。炎症反応上昇・大球性貧血を認め、胸腹部CTで腫瘍性病変なし。結節性紅斑としてプレドニゾロン(PSL)20mg/日で治療。速やかに症状は改善したが、PSL減量と共に何度か再燃を繰り返した。骨髄検査で染色体異常はなかったが、骨髄異形成症候群(MDS)と診断された。
入院4カ月前、PSL 5mg+コルヒチン1mg/日を内服中に、38℃台の発熱、有痛性紅斑(図1)、眼球結膜の充血、口腔内潰瘍を認めた。皮膚科で皮膚生検を施行され、Sweet症候群と診断。眼科ではぶどう膜炎・前房内炎症所見なし。MDSに伴う自己炎症性疾患として、ジアフェニルスルホン、シクロスポリンA、アザシチジンなどを順次併用したが、ステロイド減量に伴って再度39℃台の発熱を認めたため入院での精査とした。
生活歴:機会飲酒、喫煙なし、アレルギーなし
既往歴:Basedow病
薬剤歴:PSL 5mg 1日1回、コルヒチン0.5mg 1日2回、アザシチジン130mg×5日間
患者:66歳、男性
主訴:発熱、頭痛、皮疹
現病歴:入院10カ月前、数cm大の瘙痒感を伴う皮疹、38℃台の発熱、顔の腫れ、頭痛を訴えて当科紹介受診。炎症反応上昇・大球性貧血を認め、胸腹部CTで腫瘍性病変なし。結節性紅斑としてプレドニゾロン(PSL)20mg/日で治療。速やかに症状は改善したが、PSL減量と共に何度か再燃を繰り返した。骨髄検査で染色体異常はなかったが、骨髄異形成症候群(MDS)と診断された。
入院4カ月前、PSL 5mg+コルヒチン1mg/日を内服中に、38℃台の発熱、有痛性紅斑(図1)、眼球結膜の充血、口腔内潰瘍を認めた。皮膚科で皮膚生検を施行され、Sweet症候群と診断。眼科ではぶどう膜炎・前房内炎症所見なし。MDSに伴う自己炎症性疾患として、ジアフェニルスルホン、シクロスポリンA、アザシチジンなどを順次併用したが、ステロイド減量に伴って再度39℃台の発熱を認めたため入院での精査とした。
生活歴:機会飲酒、喫煙なし、アレルギーなし
既往歴:Basedow病
薬剤歴:PSL 5mg 1日1回、コルヒチン0.5mg 1日2回、アザシチジン130mg×5日間
参考文献
1)Beck DB, et al : Somatic mutations in UBA1 and severe adult-onset autoinflammatory disease. N Engl J Med 383(27) : 2628-2638, 2020. PMID 33108101 〈VEXAS症候群について最初の報告〉
2)Koster MJ, et al : VEXAS within the spectrum of rheumatologic disease. Semin Hematol 58(4) : 218-225, 2021. PMID 34802543 〈VEXAS症候群のReview〉
3)Tsuchida N, et al : Pathogenic UBA1 variants associated with VEXAS syndrome in Japanese patients with relapsing polychondritis. Ann Rheum Dis, 2021. annrheumdis-2021-220089. PMID 33789873 〈横浜市立大学からの再発性多発軟骨炎患者におけるUBA1遺伝子変異の報告〉
4)Lacombe V, et al : Vacuoles in neutrophil precursors in VEXAS syndrome ; diagnostic performances and threshold. Br J Haematol 195(2) : 286-289, 2021. PMID 34340250 〈骨髄検査で幼弱顆粒球に空胞形成があると、VEXAS症候群の可能性が高まる〉
5)Bourbon, E. et al : Therapeutic options in VEXAS syndrome ; insights from a retrospective series. Blood 137(26) : 3682-3684, 2021. PMID 33619558 〈VEXAS症候群の治療についての提案〉
掲載誌情報