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特集 こんなところも!“ちょいあて”エコー—POCUSお役立ちTips! 【@救急】
❻骨折×エコー
著者: 神野敦1
所属機関: 1札幌東徳洲会病院 救急センター
ページ範囲:P.942 - P.945
文献購入ページに移動骨折と超音波検査
骨折は、救急患者において頻度の高い疾患の1つで、その診断はX線写真、CT、MRIなどの画像検査を基に行うのが一般的である。近年、超音波装置の小型化、低価格化により、さまざまな領域においてベッドサイド超音波検査が実施されるようになり、骨折診療においても超音波検査、特にPOCUS(point-of-care ultrasound)が有用であることが明らかになってきた。外傷診療において“超音波”と聞くと、FAST(focused assessment with sonography for trauma)の印象が強く、超音波検査はprimary surveyに用いると認識されている場合も多いが、『外傷初期診療ガイドラインJATEC改定第6版』1)において、骨折の評価に対する超音波検査の活用が取り上げられており、診療における超音波検査の活用はさらなる広がりを見せることが期待されている。
現在では、さまざまな種類の骨折においてPOCUSの診断性能が報告され、POCUSの有効性が示されている。たとえば、上肢および下肢の骨折における診断性能を検討したChampagneらのsystematic reviewでは、超音波検査の診断能は上肢骨折で感度93%・特異度92%、下肢骨折で感度83%・特異度93%であったと報告されている2)。POCUSの特性である、簡便、迅速、低侵襲の要素に加え、高い診断能もPOCUSを活用する理由の1つである。
骨折は、救急患者において頻度の高い疾患の1つで、その診断はX線写真、CT、MRIなどの画像検査を基に行うのが一般的である。近年、超音波装置の小型化、低価格化により、さまざまな領域においてベッドサイド超音波検査が実施されるようになり、骨折診療においても超音波検査、特にPOCUS(point-of-care ultrasound)が有用であることが明らかになってきた。外傷診療において“超音波”と聞くと、FAST(focused assessment with sonography for trauma)の印象が強く、超音波検査はprimary surveyに用いると認識されている場合も多いが、『外傷初期診療ガイドラインJATEC改定第6版』1)において、骨折の評価に対する超音波検査の活用が取り上げられており、診療における超音波検査の活用はさらなる広がりを見せることが期待されている。
現在では、さまざまな種類の骨折においてPOCUSの診断性能が報告され、POCUSの有効性が示されている。たとえば、上肢および下肢の骨折における診断性能を検討したChampagneらのsystematic reviewでは、超音波検査の診断能は上肢骨折で感度93%・特異度92%、下肢骨折で感度83%・特異度93%であったと報告されている2)。POCUSの特性である、簡便、迅速、低侵襲の要素に加え、高い診断能もPOCUSを活用する理由の1つである。
参考文献
1)日本外傷学会,他(監),日本外傷学会外傷初期診療ガイドライン改訂第6版編集委員会(編):外傷初期診療ガイドラインJATEC,改定第6版.へるす出版,2021.
2)Champagne N, et al : The effectiveness of ultrasound in the detection of fractures in adults with suspected upper or lower limb injury ; a systematic review and subgroup meta-analysis. BMC Emerg Med 19(1) : 17, 2019. PMID 30691395 〈成人における上肢および下肢の骨折における超音波検査の診断性能を検討したsystematic review〉
3)Simard R : Ultrasound imaging of orthopedic injuries. Emerg Med Clin North Am 38(1) : 243-265, 2020. PMID 31757253 〈整形外科外傷に関する超音波検査の総論〉
4)Kozaci N, et al : Evaluation of the effectiveness of bedside point-of-care ultrasound in the diagnosis and management of distal radius fractures. Am J Emerg Med 33(1) : 67-71, 2015. PMID 25455052 〈橈骨遠位端骨折に対するPOCUSの診断性能を検討した研究〉
5)Battle C, et al : Comparison of the use of lung ultrasound and chest radiography in the diagnosis of rib fractures ; a systematic review. Emerg Med J 36(3) : 185-190, 2019. PMID 30470688 〈鈍的胸部外傷に伴う肋骨骨折の超音波検査の診断性能を検討したsystematic review〉
6)Chan SS : Emergency bedside ultrasound for the diagnosis of rib fractures. Am J Emerg Med 27(5) : 617-620, 2009. PMID 19497469 〈救急外来における超音波を用いて行う肋骨骨折のマネジメントに関するreview〉
7)Lalande É, et al : Feasibility of emergency department point-of-care ultrasound for rib fracture diagnosis in minor thoracic injury. CJEM 19(3) : 213-219, 2017. PMID 27748231 〈救急外来における超音波を用いた肋骨骨折の診断について検討した研究〉
8)Herren C, et al : Ultrasound-guided diagnosis of fractures of the distal forearm in children. Orthop Traumatol Surg Res 101(4) : 501-505, 2015. PMID 25910703 〈小児橈骨遠位端骨折のPOCUS診断性能を検討した研究〉
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