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文献詳細

雑誌文献

総合診療32巻8号

2022年08月発行

文献概要

オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・67

“ねこばば”が問題となった1例—頸部リンパ節腫脹を訴える30代女性

著者: 高江洲真1 永田恵蔵1 徳田安春2

所属機関: 1沖縄県立北部病院 内科 2臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄センター

ページ範囲:P.1017 - P.1021

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CASE
患者:31歳、女性。
主訴:頸部リンパ節腫脹・疼痛。
現病歴:1カ月前に悪寒戦慄を伴わない発熱・多関節痛あり。発熱はそれ以降なし。
同時期に、頸部が腫れていることに気づいた。頸部の腫瘤は痛みを伴っており、徐々に腫大してきた。来院前日に顎下にも同様に痛みを伴う腫瘤があるのに気づいたため来院。体重減少・寝汗なし。食事は摂取できている。下痢はよくある。紫外線に当たると肌荒れする。口渇感やドライアイはない。3週間前に温泉旅行に行った。子どもとの接触歴はない。不特定多数との性交渉なし。
既往歴:虫垂炎、手掌多汗症。
内服歴:市販のビタミン剤を内服している。その他、薬剤なし。
家族歴:奇形腫(姉)、肺癌(祖父)、子宮頸癌(祖母)。膠原病・血液疾患・結核の家族歴なし。
生活歴:ADL(activities of daily living)は自立。ペットの飼育歴はない。
嗜好歴:喫煙5本/日、機会飲酒。

参考文献

1)Habermann TM, et al : Lymphadenopathy. Mayo Clin Proc 75(7) : 723-732, 2000. PMID 10907389 〈リンパ節腫脹について、語呂合わせも取り入れ、わかりやすく書かれているレビュー〉
2)Lennnon P, et al : Infectious mononucleosis. BMJ 350 : h1825, 2015. PMID 25899165 〈発熱・咽頭痛の診療の流れから、伝染性単核球症について詳しく書かれているレビュー〉
3)Bazemore AW, et al : Lymphadenopathy and malignancy. Am Fam Physician 66(11) : 2103-2110, 2002. PMID 12484692 〈リンパ節腫脹と鑑別診断について、役立つ図が挿入されている〉
4)馬渡桃子,他:トキソプラズマ症の診療の手引き,改訂版.平成28年 日本医療研究開発機構,他,2016.
5)小島俊行,他:トキソプラズマ感染症:産科と婦人科 85(8) : 910-919, 2018. 〈産婦人科医だけではなく、総合診療医にも読んでほしい内容が書かれている〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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