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文献詳細

雑誌文献

総合診療32巻8号

2022年08月発行

文献概要

【臨床小説—第二部】後悔しない医者|今と未来をつなぐもの・第28話

聴こえてしまった医者

著者: 國松淳和1

所属機関: 1医療法人社団永生会 南多摩病院 総合内科・膠原病内科

ページ範囲:P.1036 - P.1041

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前回までのあらすじ 今月のナゾ
 西畑は、頭ケ島白浜病院での後期研修をそつなくこなしていた。ある日、念願だった向後の外来に陪席し、なんとなく気になる患者に出くわした。その患者は75歳・女性、新型コロナワクチン接種後に下痢が始まり、副反応の熱が下がったあともなかなか治らないと何度も受診していた。血液検査はすべて陰性、CRPも正常。1週間前に人参湯から半夏瀉心湯に処方を変更し様子をみていたが、体温37.2℃と微熱が出始めたため臨時受診した。患者は「なんだか体がおかしい」と訴えてはいるが元気そうに見え、下部消化管内視鏡検査を予定どおり受けることを促すと、納得して帰っていった。しかし西畑は違和感を覚えていた。なんとなく変…。
 器質的な異常を認めないのに、非特異的な症状が続くことはままある。機能性の病態、あるいは時に心因性と高を括って、原因追究を棚上げすることもあるだろう。しかし不調をきたしている以上、ロジックは必ずあるはずだ。それを読み解けば、解決の糸口がつかめるかもしれない。果たして、今回の患者の不調の原因は何なのか?

参考文献

1)Enomoto Y, et al:Japanese herbal medicine-induced pneumonitis;a review of 73 patients. Respir Investig 55(2) : 138-144, 2017. PMID 28274529
2)國松淳和:肺CT上の広義間質病変(広義間質の肥厚).國松淳和(編):不明熱・不明炎症レジデントマニュアル,pp281-286,医学書院,2020.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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