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文献詳細

雑誌文献

総合診療32巻9号

2022年09月発行

文献概要

What's your diagnosis?[237]

典型的であり、典型的でない

著者: 田中孝正1 酒見英太2

所属機関: 1トヨタ記念病院 総合内科・感染症内科 2洛和会音羽病院

ページ範囲:P.1050 - P.1053

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病歴
患者:51歳、女性
主訴:食欲がない
現病歴:高血圧症、脂質異常症に対して近医よりアムロジピン、アジルサルタン、カルベジロール、エゼチミブとビタミンB・C配合錠を定期処方されている閉経後の専業主婦。喫煙・飲酒はしない。両下肢の壊疽性膿皮症に対して11年前から開始されていたステロイドを漸減され、3日前に中止されたところである。入院2週間前から食事がとれなくなり、嘔吐も複数回あった。家事などやる気が起きず自宅で休んでいる。体温を測定すると37〜38℃程度であったため、入院1週間前に近医でレボフロキサシンの処方を受けるも改善せず、紹介入院となった。
陰性症状:眼の充血・霧視、鼻汁・鼻閉・鼻出血、口内炎・咽頭痛、咳嗽・喀痰、胸痛、呼吸困難、腹痛・下痢・血便、背部痛・腰痛、残尿感・排尿時痛、異常帯下・陰部痛、関節痛・筋肉痛、新たな皮膚病変、しびれ・脱力
既往歴(上記以外):胃粘膜下腫瘍(9年前から変化なし)、両側乳腺過誤腫(3年前から変化なし)、アレルギーなし
家族歴:母:乳癌、父:脳出血・高血圧症

参考文献

1)Alavi A, et al:Pyoderma gangrenosum ; an update on pathophysiology, diagnosis and treatment. Am J Clin Dermatol 18(3) : 355-372, 2017. PMID 28224502 〈壊疽性膿皮症の病態や遺伝的背景についてよくまとまっている〉
2)岡昌宏:壊疽性膿皮症の臨床と病態.皮膚臨床 60(7):1069-1077, 2018. 〈壊疽性膿皮症の病態と合併疾患についてよくまとまっている〉
3)Zhang X, et al:Takayasu arteritis with pyoderma gangrenosum ; case reports and literature review. BMC Rheumatol 3 : 45, 2019. PMID 31701086 〈壊疽性膿皮症と高安病18例についての報告〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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