文献詳細
文献概要
特集 COVID-19パンデミック 振り返りと将来への備え 【未来のパンデミック対策編】
❶新型インフルエンザ
著者: 伊藤澄信1
所属機関: 1順天堂大学 革新的医療技術開発研究センター
ページ範囲:P.60 - P.64
文献購入ページに移動Case
養鶏場での鳥インフルエンザ感染
患者:80代前半、男性
家族歴:特になし
現病歴:肉用アヒルを飼育・経営しており、12月中旬にアヒルが1羽死亡。その2日後に数羽が死亡するとともに、体調不良のアヒルが出現したため、家畜保健衛生所で調べたところ、生きたアヒル約20羽からH5N1亜型高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された。
経営者は個人防護具をつけずに、アヒルの世話をしていたことから、無症状ではあったが、オセルタミビル75mg(1日1回)を予防内服してもらうとともに、鼻腔ぬぐい液を採取した。他の従事者約10人も同様に鼻腔ぬぐい液を採取したが、経営者のみH5N1亜型インフルエンザウイルス陽性であった。引き続き無症状であったが、オセルタミビル75mg(1日2回)を10日間服用し、PCR検査2回陰性を確認するまで自宅で隔離した。(文献1を参考に構成)
養鶏場での鳥インフルエンザ感染
患者:80代前半、男性
家族歴:特になし
現病歴:肉用アヒルを飼育・経営しており、12月中旬にアヒルが1羽死亡。その2日後に数羽が死亡するとともに、体調不良のアヒルが出現したため、家畜保健衛生所で調べたところ、生きたアヒル約20羽からH5N1亜型高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された。
経営者は個人防護具をつけずに、アヒルの世話をしていたことから、無症状ではあったが、オセルタミビル75mg(1日1回)を予防内服してもらうとともに、鼻腔ぬぐい液を採取した。他の従事者約10人も同様に鼻腔ぬぐい液を採取したが、経営者のみH5N1亜型インフルエンザウイルス陽性であった。引き続き無症状であったが、オセルタミビル75mg(1日2回)を10日間服用し、PCR検査2回陰性を確認するまで自宅で隔離した。(文献1を参考に構成)
参考文献
1)Oliver I, et al : A case of avian influenza A(H5N1) in England, January 2022. Euro Surveill 27(5) : 2200061, 2022. PMID 35115075
2)渡辺登喜子:輸入感染症・脅威となる海外の感染症 鳥インフルエンザ .臨床とウイルス 49 (4):211-217, 2021.
3)迫田義博:新型インフルエンザウイルスの出現.Pharma Medica 39(1):37-41, 2021.
4)内田裕子:<人獣共通感染症>豚インフルエンザ.バムサジャーナル34(3):38-45, 2022.
5)WHO西太平洋事務局:Avian Influenza Weekly Update Number 869(2022年11月4日). https://www.who.int/docs/default-source/wpro---documents/emergency/surveillance/avian-influenza/ai_20221104.pdf?Status=Master&sfvrsn=5f006f99_106
6)厚生労働省:新型インフルエンザ対策に関する小委員会 第1回ワクチン作業班会議,2015(6月15日). https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000088613.html
7)厚生労働省:第60回厚生科学審議会感染症部会 資料,2022(4月4日). https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25011.html
8)内閣官房 新型インフルエンザ等対策室:新型インフルエンザ等対策政府行動計画等. https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/keikaku.html
9)森島恒雄(代表):成人の新型インフルエンザ治療ガイドライン 第2版.平成28〜29年度 日本医療研究開発機構 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業,新型インフルエンザ等への対応に関する研究,厚生労働省,2017. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/kenkyu.html
掲載誌情報