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雑誌目次

雑誌文献

総合診療33巻10号

2023年10月発行

雑誌目次

特集 ○×クイズ110問!日常診療アップグレード—Choosing WiselyとHigh Value Careを学ぼう

著者: 山中克郎

ページ範囲:P.1158 - P.1159

医学が発達し、診断のためにさまざまな検査を行うことが可能となりました。同時に、治療も進歩し、私たちは今、数多くの薬を使うことができます。しかし、それらは本当に患者に利益をもたらしているのでしょうか?
American Board of Internal Medicine FoundationおよびConsumer Reportsは「Choosing Wisely」と呼ばれるキャンペーンを実施し、「患者の安全を守る効果的な医療」を普及させようとしています。また、American College of Physiciansは、「High Value Care」を推奨しています。
本特集の目的は、これらが推奨する検査や治療を正しく実践しているかどうか自己チェックして、より価値があり無駄のない、かつ安全な診療を目指そうというものです。この試みは、ひいては医療資源の無駄遣いを防ぐことにもつながります。
各分野に精通する医師が出題する「〇×クイズ」の臨床問題にチャレンジして、記載されている診療方針が正しいか間違っているのかをお答えください。
本特集を通して患者にとって有益な質の高い医療を学べば、皆さんの日々の診療がアップグレードすることは間違いありません。

【総論】鼎談

Choosing WiselyやHigh Value Careが誕生した背景とその意義

著者: 北澤京子 ,   梶有貴 ,   山中克郎

ページ範囲:P.1160 - P.1167

American Board of Internal Medicine FoundationおよびConsumer Reportsは「Choosing Wisely」と呼ばれるキャンペーンを立ち上げ、医療における無駄を減らし、医療行為の賢明な選択に関する医師と患者の対話を促進しようとしています1)。またAmerican College of Physiciansは「High Value Care」を推奨しています。
そのような中、わが国ではChoosing WiselyやHigh Value Careを学ぶ機会は少ないというのが実状です。そこで本特集の「総論」として、Choosing Wisely Japan事務局の北澤氏とHigh Value Careを研究する梶氏をお招きし、特集企画者の山中氏が読者を代表して、初心者でもわかりやすい「より価値があり無駄のない、かつ安全な患者診療」について理解を深めるためのお話を聴きました。
(構成:編集部)

【各論】分野別問題集

❶総合内科

著者: 山城志織 ,   山中克郎

ページ範囲:P.1168 - P.1171

次の設問に○か×で答えよ
問題1 次の治療は正しいか?
78歳、女性。5年前から両膝痛があり変形性膝関節症と診断されている。1週間前から右膝の疼痛がひどくなり、痛み止めの内服薬処方を希望し来院した。軽度の右膝関節の腫脹と、内側に圧痛を認める。アセトアミノフェン(カロナール®)1回500 mgを1日3回を処方した。

❷集中治療

著者: 日比野将也

ページ範囲:P.1172 - P.1175

次の診療/検査計画は正しいか?○か×で答えよ
問題1 70歳、男性。COPD(慢性閉塞性肺疾患)のため外来通院中で、チオトロピウム、サルメテロール、フルチカゾンの吸入をしている患者の定期診察。平地を歩行すると呼吸苦を自覚するが、日常的に在宅酸素療法は受けていない。身体所見は、脈拍数90回/分、呼吸数16回/分、安静時SpO2 91%(室内気)。胸部聴診では呼気の延長を認めるが、wheezeは聴取しない。
 患者は来月、海外旅行に行こうと計画をしており、飛行機に乗っても問題ないか尋ねてきた。そこで呼吸機能検査を行い、FEV1.0 40%であったため、機内で酸素を3L/分吸入するよう処方した。

❸循環器

著者: 橋本理

ページ範囲:P.1176 - P.1178

次の設問に○か×で答えよ
問題1 次の診療計画は正しいか?
83歳、男性。うっ血性心不全の診断で入院となった。利尿薬などの調整で代償は得られ、第10病日に退院となった。入院主治医は退院30日後の外来受診を指示した。

❹消化器

著者: 西野徳之

ページ範囲:P.1180 - P.1184

次の設問に○か×で答えよ
問題1 次の治療/診療計画は正しいか?
56歳、男性。身長165cm、70kg。胸焼けを訴え、上部消化管内視鏡検査を施行した。逆流性食道炎(gastro esophageal reflux disease:GERD)のLos Angeles分類Bと診断し、ボノプラザン(カリウムイオン競合型アシッドブロッカー;P-CAB)20 mgを選択した。仕事が忙しいということで8週間分まとめての投与を希望されたので、希望どおりに処方した。

❺呼吸器

著者: 阪下健太郎

ページ範囲:P.1186 - P.1189

次の設問に○か×で答えよ
問題1 次の治療は正しいか? 77歳、男性。COPD(慢性閉塞性肺疾患)にて加療中。数日前から咳嗽や喀痰量の増加があり、来院当日に労作時呼吸困難が増悪し救急外来を受診。意識清明で、坐位で短い会話が可能。呼吸数32回/分、血圧110/85mmHg、脈拍数130回/分・整、SpO2 87%(室内気)。動脈血液ガス分析はpH 7.35、PaO2 55mmHg、PCO2 43mmHg、HCO3- 28mEq/L。飲水は可能。聴診にて喘鳴を聴取し、COPDの増悪と診断。
救急外来にてメチルプレドニゾロン125mgを点滴静注後、メチルプレドニゾロン40mgを8時間ごとに点滴静注。3日目には症状軽快を認めたが10日間かけて慎重に漸減し、終了の予定とした。

❻代謝/内分泌

著者: 根本雄飛 ,   橋本重厚

ページ範囲:P.1190 - P.1193

次の設問に○か×で答えよ
問題1 次の対応は正しいか?
79歳、女性。転居後の2型糖尿病に対する治療継続のため、紹介状を持参して来院した。独居であるが認知機能は正常で、ADLは自立している。
紹介状要旨:直近の空腹時血糖値115mg/dL、HbA1c 6.6%、eGFR 76.0mL/分/1.73m2。処方薬はグリメピリド2mg/日とシタグリプチン50mg/日。
現症:身長152cm、体重60kg、腹囲91cm。
低血糖症状の自覚はなく、血糖管理目標を達成しているため、前医の処方を継続した。

❼感染症

著者: 田頭保彰

ページ範囲:P.1194 - P.1197

次の設問に○か×で答えよ
問題1 次の診療は正しいか?
75歳、男性。自宅で転倒し、大腿骨頸部骨折で緊急手術を施行。術後経過は良好だったが、術後5日目に発熱を認めた。血液培養などの各種培養を採取して、肺炎疑いでセフェピムが開始された。
抗菌薬を開始して3日目の時点で解熱しており、血液培養・尿培養は陰性。胸部X線写真でも肺炎像ははっきりしない。抗菌薬は念のため7日間継続して、CRP(C反応性蛋白)が低下したので終了した。

❽神経

著者: 黒川勝己

ページ範囲:P.1198 - P.1201

次の設問に○か×で答えよ
問題1 次の対応(酸素投与)は正しいか?
60歳、男性。高血圧症を指摘されていたが放置していた。仕事中に突然右半身の麻痺が生じたため、同僚が救急要請した。来院時、血圧200/105mmHg、脈拍数80回/分、呼吸数18回/分、SpO2 96%(室内気)、体温36.5℃。顔面を含む右片麻痺を認めた。頭部CT検査を施行し、左被殻に高吸収域を認め、脳出血と診断した。鼻カニューレにて酸素を2L/分で投与開始した。

❾腎臓

著者: 柴﨑俊一

ページ範囲:P.1202 - P.1205

次の設問に○か×で答えよ
問題1 次の治療は正しいか?
64歳、男性。糖尿病・糖尿病腎症で通院中である。現在、Cr 1.2 mg/dL、K 4.0mg/dL程度であり、メトホルミン(メトグルコ®)、テルミサルタン(ミカルディス®)を内服中である。この数カ月、血圧が160/100mmHg前後、尿蛋白が1.2g/gCr前後と、高い状態が続いたため、エナラプリル(レニベース®)1回2.5mg・1日1回を追加処方した。

❿血液

著者: 住谷智恵子

ページ範囲:P.1206 - P.1211

次の設問に○か×で答えよ
問題1 次の検査計画は正しいか?
26歳、女性。生理不順はないが、しばしば月経血に凝血塊が混じることがある。3カ月前からの疲労感、1カ月前からの労作時息切れを主訴に外来を受診した。バイタルサインは正常。眼瞼結膜は軽度蒼白、眼球結膜に黄染なし。表在リンパ節腫脹なし。心肺に明らかな異常所見はなく、腹部は平坦で肝脾を触知しない。神経学的に明らかな異常を認めない。Hb 8.2g/dL、MCV 65fL、MCH 17.3pg、MCHC 26.7%、RET 0.9%、WBC 4,000/μL、Plt 29.7×104/μL。AST 21IU/L、ALT 12IU/L、T-Bil 0.6mg/dL、UN 15.8mg/dL、Cr 0.64mg/dL、LDH 158IU/L。末梢血液塗抹標本では赤血球の大小不同、小型で中央部の色の薄い部分が拡大した低染性赤血球がみられた。
追加検査は行わず、鉄欠乏性貧血と診断した。

⓫リウマチ/膠原病

著者: 峯村信嘉

ページ範囲:P.1212 - P.1215

次の設問に○か×で答えよ
問題1 次の治療は正しいか?
54歳、女性。半年以上にわたって続く広範囲の疼痛と睡眠障害にて、3カ月前に線維筋痛症の診断に至っている。三環系抗うつ薬やGABA(γ-アミノ酪酸)誘導体を用いても効果不十分であり、速やかな疼痛軽減を望む患者に対して、イブプロフェン1回200mg・1日3回を処方した。

Editorial

素晴らしき会津地域を想い、地域医療を考える—「Choosing Wisely」や「High Value Care」の活用を

著者: 山中克郎

ページ範囲:P.1157 - P.1157

筆者の会津での生活も5年目となった。豪雪地帯の大雪に腰を抜かし、すぐに戻ってくるだろうと、前任地の同僚たちは噂していたようだ。しかし、住んでみるとどんどん好きになる魅力的な地域である。
 なんといっても米がおいしい。会津はミネラルを含んだ粘土質の土壌と、豊富な水源に恵まれている。周囲は山に囲まれた盆地気候であるため、1日の寒暖差が大きく、寒暖差が大きいと、米の旨味と甘みが凝集するのだ。「おいしい米は、冷えた時もおいしい。これがいい米を見極めるポイントだ」と、米作り農家の患者さんはいう。

ゲストライブ〜Improvisation〜・24

AI時代に求められる研修医のスキル

著者: 仲里信彦 ,   鈴木智晴 ,   佐藤直行 ,   徳田安春

ページ範囲:P.1139 - P.1148

 好評連載「オール沖縄!カンファレンス」(本誌p.1228〜)が前号でシリーズ80回を迎えたのを機に、本連載の重要テーマである“研修医教育”について深掘りしようと、沖縄を代表する名指導医の仲里信彦先生、鈴木智晴先生、佐藤直行先生、そして徳田安春先生が、AI時代を背景にした新たな研修医教育について、そのスキルについて、座談会を行いアツく語り合いました!
 なお、本連載内でこの4名の琉球指導医によるローテーションコラムが、前号よりスタートしています。連載本編はもちろん、これからコラムもどうぞお楽しみに!

What's your diagnosis?[250]

閻魔も恐れぬ肥満女子の高血圧

著者: 酒見英太

ページ範囲:P.1150 - P.1153

病歴
患者:22歳、女性
主訴:倦怠感、下腿浮腫を伴う体重増加
現病歴:高校は卒業したが美容専門学校を途中でやめ、18歳から喫煙をしているものの特に持病のない肥満女性。1年半前には生涯最高の98 kgあったが(身長167 cm)、半年前には努力して89 kgまで落としていた。その当時ガールズバーで短期のアルバイトをしていた際に、激しい咳を伴う高熱が3週間続いたため、近医でセフェム系抗菌薬を投与された後、血清抗体価によりマイコプラズマ感染症と診断され、アジスロマイシン(AZM)に変更された。しかし反応が乏しかったため当院内科を受診。コロナウイルス感染や、Epstein-Barrウイルス(EBV)およびサイトメガロウイルス(CMV)の新規感染は否定したうえで、マイコプラズマ気管支炎+喫煙者咳嗽の診断で、禁煙指導のもとドキシサイクリン(DOXY)を10日間内服して治癒した(DOXY処方に際し、高熱下で月経は1回飛んでいたものの、その数カ月以内に性交歴がなかったことは本人に確認している)。その時血圧130/82 mmHg、脈拍数87回/分の記録あり。以後運送会社で週3回、荷物運びのアルバイトをしていたが、2週間前より倦怠感が出現し、両下腿浮腫を伴って体重も97 kgまで再度増加したため、当院内科を半年ぶりに再診。飲酒はしないが、喫煙は再開していた。前回受診時より無月経が続いているが、性行為は再度否定。たまたま受診13日前に健診で子宮頸部細胞診(Papスメア)を受けており、陰性が確認されている。自宅では血圧を測定したことはなかったが、外来待合で血圧測定をすると173/110 mmHgであった。
家族歴:父は40代で透析に入り、50歳になる前に死亡(詳細不明)。母は持病はないが喫煙者である。
同胞はいない。
陰性症状:頭痛・頸部痛、視力・聴力障害、暑がり・寒がり、排尿・便通・帯下の変化、体毛の増加、発熱・寝汗、嗄声、咳・痰、呼吸困難、胸痛・腹痛、背部痛・腰痛、関節痛、皮疹、出血傾向、筋力低下・感覚障害

【エッセイ】アスクレピオスの杖—想い出の診療録・42

闇に浮かんだ不可解な相貌—Difficult patientと初めて出会った夜

著者: 宮崎仁

ページ範囲:P.1218 - P.1219

本連載は、毎月替わる著者が、これまでの診療で心に残る患者さんとの出会いや、人生を変えた出来事を、エッセイにまとめてお届けします。

Dr.上田剛士のエビデンス実践レクチャー!医学と日常の狭間で|患者さんからの素朴な質問にどう答える?・43

トイレのウォシュレット®は安全か?

著者: 上田剛士

ページ範囲:P.1224 - P.1227

患者さんからのふとした質問に答えられないことはないでしょうか? 素朴な疑問ほど回答が難しいものはありませんが、新たな気づきをもたらす良問も多いのではないでしょうか? 本連載では素朴な疑問に、文献的根拠を提示しながらお答えします!

オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・81

お酒に飲まれるな!アルコール多飲者の上下肢の感覚障害と脱力

著者: 有薗功一 ,   永田恵蔵 ,   徳田安春 ,   仲里信彦 ,   鈴木智晴 ,   佐藤直行

ページ範囲:P.1228 - P.1233

CASE
患者:53歳、男性。
主訴:両上下肢のしびれ、歩行困難。
現病歴:来院10日前より、両側足趾にしびれを実感していた。来院4日前にしびれで近医を受診し、内服薬での対症療法となっていた。しびれは徐々に下腿まで拡がり、上肢にも感じるようになった。来院当日、両下肢脱力のため歩行困難となり、救急搬送となった。発熱・悪寒戦慄なし。頭痛なし。呼吸困難感なし。構音障害なし。1カ月前から来院まで上気道症状や消化器症状もなかった。体重増減なし。頭部外傷のエピソードなし。
既往歴:特記事項なし。
内服歴:エトドラク200 mg、レバミピド100 mg、ミロガバリンペジル酸塩5 mg。
家族歴:特記事項なし。
生活歴:ADL(activities of daily living)は自立。
嗜好歴:喫煙:なし、飲酒:9%酎ハイ350 mL缶×4本を週5回(10ドリンク)。

Update'23

いま注目が高まる医療従事者の「ウェルビーイング」—来年4月に医師の労働時間短縮に関する法律が施行されます

著者: 安藤明美

ページ範囲:P.1235 - P.1237

 2024年4月の医師の時間外労働上限規制の開始を前に、多くの医療従事者の間で「ウェルビーイング」や「ワークライフバランス」への関心が高まっています。そうしたなか、日本プライマリ・ケア連合学会の第14回学術大会(2023年5月12〜14日、愛知県)にて、シンポジウム「仲間を救う! 医療従事者のためのウェルビーイング」(同学会予防医療・健康増進・産業保健委員会 産業保健チームおよび米国内科学会〔ACP〕日本支部Physicians' Well-being Committeeのコラボレーションシンポジウム)を開催しました。参加者は500名(オンライン含む)を超え、管理職のみならず若手医師からも、具体的かつ真剣な質問を多数いただき、医療従事者のウェルビーイングへの関心の高まりを強く実感しています。そこで本稿では、シンポジウムを開催した背景や概要を報告するとともに、今後の課題についてお伝えします。

ジェネラリストに必要な ご遺体の診断学・7

ご遺体の「顔」を診ることと「入浴関連死」の問題点

著者: 森田沙斗武

ページ範囲:P.1238 - P.1241

Case
患者:81歳、男性。妻と2人暮らし。
既往歴:高血圧、2型糖尿病
現病歴:当クリニックのかかりつけ患者であり、高血圧および2型糖尿病の内服治療中。収縮期血圧は100〜160 mmHgと変動が大きく、HbA1cは7.5%程度を推移。飲酒習慣や睡眠導入薬の使用はなし。
 某日19時頃に妻と夕食をとったあと、20時頃から入浴を開始した。いつもは15分ほどで出てくるが、なかなか出てこないことを不審に思った妻が浴室を見にいくと、浴槽内で水没していた。20時23分に救急通報、30分に救急隊が現場に到着。心肺停止状態であった。、20時40分に救急病院到着。救急救命処置によりいったん心拍再開するも、つねづね延命治療を希望しないと言っていたという家族の話もあり、治療を中止した。21時35分に心停止し、死亡となった。救急病院から異状死の届出が行われ、警察が現場検証を行うも事件性なしと判断された。
 警察から当クリニックへの通院および処方内容の確認があり応対したところ、警察医が不在のため可能なら死体検案書を発行してほしいと依頼された。警察から聞いた状況では入浴中の溺死と考えられ、その特徴である口腔内の泡沫を確認するだけで診断はつくだろうと快諾した。警察の送迎で救急病院に来たが、口腔内の泡沫は確認できず、溺死と診断できなかった。そのため、とりあえず死因は「虚血性心疾患」としたが、遺族から「溺れたのではないのですか? いつから心臓が悪かったのですか?」と聞かれ、もっともらしいことを言ってはみたが、バツの悪い思いをした。

臨床教育お悩み相談室|どうする!?サロン・9

教育することの「インセンティブ」って何?—何がもらえたら嬉しいの?

著者: 佐田竜一 ,   木村武司 ,   長野広之

ページ範囲:P.1242 - P.1247

今月のお悩み
卒後20年目の“気持ちは研修医”です。最近、ウェブレクチャーが流行ってますよね。そしたら先日、ウェブレクチャーの講師を「無償」で依頼されました。無償はちょっとなあ…。インセンティブがない/感じられない状況での教育提供って、ありうると思いますか?
[ペンネーム:サダサン]

臨床医のためのライフハック│限りある時間を有効に使う仕事術・7

—ウェブ発信❶—忙しい臨床の合間にできる自他に役立つウェブ発信術

著者: 中島啓

ページ範囲:P.1248 - P.1251

時間がない! 臨床医の仕事は診療だけにあらず、事務、教育、自己学習、研究、学会発表、情報発信、所属組織の運営などなど、尽きることはありません。もちろんプライベートの生活もあり、「時間不足」は臨床医の永遠の課題です。では、一度きりの“医師人生”の限られた時間を、どう有効に使うのか? 筆者が培ってきた「ライフハック(仕事術)」のすべてを、余すところなく開陳します。

患者さんには言えない!? 医者のコッソリ養生法・19【最終回】

「養生」の未来はどこへ向かう?

著者: 須田万勢

ページ範囲:P.1252 - P.1258

 “プチ不健康”を放置してきたツケで弱っていた貝原先生。突然現れた医神アスクレピオス(自称ピオちゃん)に半ば強制的に弟子入りさせられた。しかし「養生」で健康を取り戻す方法をしぶしぶ学ぶうち、身体も心も少しずつ変わってきた。「風邪」「肩こり」「肥満」「お酒」「睡眠」「集中力」を改善する方法を伝授され、いよいよ“ピオちゃん道場”を卒業する時がきた!

#総合診療

#今月の特集関連本

ページ範囲:P.1177 - P.1177

#今月の特集関連本

ページ範囲:P.1181 - P.1181

#今月の特集関連本

ページ範囲:P.1203 - P.1203

#医学書院の新刊

ページ範囲:P.1220 - P.1221

#医学書院の新刊

ページ範囲:P.1241 - P.1241

#医学書院の新刊

ページ範囲:P.1258 - P.1258

#今月の連載関連本

ページ範囲:P.1221 - P.1221

#今月の連載関連本

ページ範囲:P.1247 - P.1247

#書評:伝わるカルテ—Before & Afterで書き方のコツがわかる

著者: 喜舎場朝雄

ページ範囲:P.1217 - P.1217

 カルテ記載は、患者情報の把握と治療および退院計画につながる、すべての医師にとって日常診療の軸になる業務である。本書では、カルテ記載の「いろは」に始まり、正しい日本語を用いること、略語は常にフルタームを記述して覚えて初めて物になること、コピー&ペーストに依存しないことなどを強調している。
 SOAPの正しい記載を、実際の具体例を数多くあげながら平易な言葉で解説し、初学者に大変理解しやすい内容になっている。経過記録の項では、鑑別診断に優先順位をつけて複数あげることの意義、自分で考えることや指導医に相談することのそれぞれの重要性にも触れており、研修する立場の医師の心がけに直結する内容が盛り込まれている。

#書評:—連続スライスで学ぶ—レジデントのための急性腹症のCT[Web付録付]

著者: 上田剛士

ページ範囲:P.1223 - P.1223

 本書は、「急性腹症」の診療において緊急性の高い疾患を診断・除外できる力を身につけるための実用的な書籍です。腹部が専門ではないレジデントでも安心して取り組める内容であり、効率よく学べる構成が魅力的です。救急外来で慌てない実力を身につけたいと考えるすべてのレジデントにお薦めできる1冊です。
 本書の大きな強みの1つは、ウェブ上のビューワで確認できる連続画像です。誌面に掲載されている1枚1枚の写真を見るだけでは伝わりにくい腸管などの構造物の「連続性」が、ウェブビューワを使うことでより明確に理解できます。このウェブビューワを活用することで、腹部CTの読影において「立体的」なイメージを形成しやすく、正確な診断につながります。“静止画”と“動画”の情報量の違いと言えばわかりやすいでしょうか。

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目次

ページ範囲:P.1154 - P.1155

『総合診療』編集方針

ページ範囲:P.1149 - P.1149

 1991年に創刊した弊誌は、2015年に『JIM』より『総合診療』に誌名を変更いたしました。その後も高齢化はさらに進み、社会構造や価値観、さらなる科学技術の進歩など、日本の医療を取り巻く状況は刻々と変化し続けています。地域医療の真価が問われ、ジェネラルに診ることがいっそう求められる時代となり、ますます「総合診療」への期待が高まってきました。これまで以上に多岐にわたる知識・技術、そして思想・価値観の共有が必要とされています。そこで弊誌は、さらなる誌面の充実を図るべく、2017年にリニューアルをいたしました。本誌は、今後も下記の「編集方針」のもと、既存の価値にとらわれることなく、また診療現場からの要請に応え、読者ならびに執筆者のみなさまとともに、日本の総合診療の新たな未来を切り拓いていく所存です。
2018年1月  『総合診療』編集委員会

読者アンケート

ページ範囲:P.1222 - P.1222

『総合診療』バックナンバーのご案内

ページ範囲:P.1260 - P.1261

お得な年間購読のご案内

ページ範囲:P.1261 - P.1262

次号予告

ページ範囲:P.1263 - P.1264

基本情報

総合診療

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 2188-806X

印刷版ISSN 2188-8051

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バックナンバー

33巻12号(2023年12月発行)

特集 海の外へ渡る航行者を診る—アウトバウンドにまつわるetc.

33巻11号(2023年11月発行)

特集 —続・総合診療外来に“実装”したい—最新エビデンスMy Best 3

33巻10号(2023年10月発行)

特集 ○×クイズ110問!日常診療アップグレード—Choosing WiselyとHigh Value Careを学ぼう

33巻9号(2023年9月発行)

特集 ジェネラリストのための「発達障害(神経発達症)」入門

33巻8号(2023年8月発行)

特集 都市のプライマリ・ケア—「見えにくい」を「見えやすく」

33巻7号(2023年7月発行)

特集 “消去法”で考え直す「抗菌薬選択」のセオリー—広域に考え、狭域に始める

33巻6号(2023年6月発行)

特集 知っておくべき!モノクロな薬たち(注:モノクローナル抗体の話ですよ〜)

33巻5号(2023年5月発行)

特集 —疾患別“イルネススクリプト”で学ぶ—「腹痛診療」を磨き上げる22症例

33巻4号(2023年4月発行)

特集 救急対応ドリル—外来から在宅までの60問!

33巻3号(2023年3月発行)

特集 —自信がもてるようになる!—エビデンスに基づく「糖尿病診療」大全—新薬からトピックスまで

33巻2号(2023年2月発行)

特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き!

33巻1号(2023年1月発行)

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32巻12号(2022年12月発行)

特集 レクチャーの達人—とっておきの生ライブ付き!

32巻11号(2022年11月発行)

特集 不定愁訴にしない“MUS”診療—病態からマネジメントまで

32巻10号(2022年10月発行)

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32巻9号(2022年9月発行)

特集 総合診療・地域医療スキルアップドリル—こっそり学べる“特講ビデオ”つき!

32巻8号(2022年8月発行)

特集 こんなところも!“ちょいあて”エコー—POCUSお役立ちTips!

32巻7号(2022年7月発行)

特集 —どうせやせない!? やせなきゃいけない??苦手克服!—「肥満」との向き合い方講座

32巻6号(2022年6月発行)

特集 総合診療外来に“実装”したい最新エビデンス—My Best 3

32巻5号(2022年5月発行)

特集 「診断エラー」を科学する!—セッティング別 陥りやすい疾患・状況

32巻4号(2022年4月発行)

特集 えっ、これも!? 知っておきたい! 意外なアレルギー疾患

32巻3号(2022年3月発行)

特集 AI時代の医師のクリニカル・スキル—君は生き延びることができるか?

32巻2号(2022年2月発行)

特集 —withコロナ—かぜ診療の心得アップデート

32巻1号(2022年1月発行)

特集 実地医家が楽しく学ぶ 「熱」「炎症」、そして「免疫」—街場の免疫学・炎症学

31巻12号(2021年12月発行)

特集 “血が出た!”ときのリアル・アプローチ—そんな判断しちゃダメよ!

31巻11号(2021年11月発行)

特集 Q&Aで深める「むくみ診断」—正攻法も!一発診断も!外来も!病棟も!

31巻10号(2021年10月発行)

特集 医師の働き方改革—システムとマインドセットを変えよう!

31巻9号(2021年9月発行)

特集 「検査」のニューノーマル2021—この検査はもう古い? あの新検査はやるべき?

31巻8号(2021年8月発行)

特集 メンタルヘルス時代の総合診療外来—精神科医にぶっちゃけ相談してみました。

31巻7号(2021年7月発行)

特集 新時代の「在宅医療」—先進的プラクティスと最新テクノロジー

31巻6号(2021年6月発行)

特集 この診断で決まり!High Yieldな症候たち—見逃すな!キラリと光るその病歴&所見

31巻5号(2021年5月発行)

特集 臨床医のための 進化するアウトプット—学術論文からオンライン勉強会、SNSまで

31巻4号(2021年4月発行)

特集 消化器診療“虎の巻”—あなたの切実なギモンにズバリ答えます!

31巻3号(2021年3月発行)

特集 ライフステージでみる女性診療at a glance!—よくあるプロブレムを網羅しピンポイントで答えます。

31巻2号(2021年2月発行)

特集 肺炎診療のピットフォール—COVID-19から肺炎ミミックまで

31巻1号(2021年1月発行)

特別増大特集 新型コロナウイルス・パンデミック—今こそ知っておきたいこと、そして考えるべき未来

30巻12号(2020年12月発行)

特集 “ヤブ化”を防ぐ!—外来診療 基本の(き) Part 2

30巻11号(2020年11月発行)

特集 診断に役立つ! 教育で使える! フィジカル・エポニム!—身体所見に名を残すレジェンドたちの技と思考

30巻10号(2020年10月発行)

特集 —ポリファーマシーを回避する—エビデンスに基づく非薬物療法のススメ

30巻9号(2020年9月発行)

特集 いつ手術・インターベンションに送るの?|今でしょ! 今じゃないでしょ! 今のジョーシキ!【感染症・内分泌・整形外科 編】

30巻8号(2020年8月発行)

特集 マイナーエマージェンシー門外放出—知っておくと役立つ! テクニック集

30巻7号(2020年7月発行)

特集 その倦怠感、単なる「疲れ」じゃないですよ!—筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群とミミック

30巻6号(2020年6月発行)

特集 下降期慢性疾患患者の“具合”をよくする—ジェネラリストだからできること!

30巻5号(2020年5月発行)

特集 誌上Journal Club—私を変えた激アツ論文

30巻4号(2020年4月発行)

特集 大便強ドリル—便秘・下痢・腹痛・消化器疾患に強くなる41問!

30巻3号(2020年3月発行)

特集 これではアカンで!こどもの診療—ハマりがちな11のピットフォール

30巻2号(2020年2月発行)

特集 いつ手術・インターベンションに送るの?|今でしょ! 今じゃないでしょ! 今のジョーシキ!【循環器・消化器・神経疾患編】

30巻1号(2020年1月発行)

特集 総合診療医の“若手ロールモデル”を紹介します!—私たちはどう生きるか

27巻12号(2017年12月発行)

特集 小児診療“苦手”克服!!—劇的Before & After

27巻11号(2017年11月発行)

特集 今そこにある、ファミリー・バイオレンス|Violence and Health

27巻10号(2017年10月発行)

特集 めまいがするんです!─特別付録Web動画付

27巻9号(2017年9月発行)

特集 うつより多い「不安」の診かた—患者も医師も安らぎたい

27巻8号(2017年8月発行)

特集 見逃しやすい内分泌疾患─このキーワード、この所見で診断する!

27巻7号(2017年7月発行)

特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!Part 3 カリスマ編

27巻6号(2017年6月発行)

特集 「地域を診る医者」最強の養成法!

27巻5号(2017年5月発行)

特集 コミュニケーションを処方する—ユマニチュードもオープンダイアローグも入ってます!

27巻4号(2017年4月発行)

特集 病歴と診察で診断できない発熱!—その謎の賢い解き方を伝授します。

27巻3号(2017年3月発行)

特集 これがホントに必要な薬40—総合診療医の外来自家薬籠

27巻2号(2017年2月発行)

特集 The総合診療ベーシックス—白熱!「総合診療フェスin OKINAWA」ライブ・レクチャー! 一挙公開 フィジカル動画付!

27巻1号(2017年1月発行)

特集 総合診療の“夜明け”—キーマンが語り尽くした「来し方、行く末」

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