文献詳細
特集 海の外へ渡る航行者を診る—アウトバウンドにまつわるetc.
【渡航後の体調不良】
文献概要
Case
韓国でユッケを喫食し感染した無鉤条虫症の1例
患者:39歳、女性
現病歴:当院初診の8カ月前に韓国へ旅行し、ユッケを喫食した。4カ月前から排便のたびに平麺のようなものが出ていることに気づき、下着に付着していることもあったが、食物残渣と思っていた。1週間前にそれが動いていたため、かかりつけ医に相談し、当院を紹介受診した。
受診後経過:渡航歴、食歴と虫体(片節)の排出状況から、無鉤条虫(Taenia saginata)と考えた。受診時の糞便検査で虫卵は陰性で、片節の排出が止まっていた。1カ月後の糞便検査も虫卵は検出されなかった。受診から約2カ月経過した頃、再度、片節の排出が見られたため受診したところ(図1Ⓐ)、糞便検査で虫卵が検出された(図1Ⓑ)。プラジカンテルで駆虫し、治癒した。駆虫後の片節は、遺伝子検査でT. saginataと同定された。
韓国でユッケを喫食し感染した無鉤条虫症の1例
患者:39歳、女性
現病歴:当院初診の8カ月前に韓国へ旅行し、ユッケを喫食した。4カ月前から排便のたびに平麺のようなものが出ていることに気づき、下着に付着していることもあったが、食物残渣と思っていた。1週間前にそれが動いていたため、かかりつけ医に相談し、当院を紹介受診した。
受診後経過:渡航歴、食歴と虫体(片節)の排出状況から、無鉤条虫(Taenia saginata)と考えた。受診時の糞便検査で虫卵は陰性で、片節の排出が止まっていた。1カ月後の糞便検査も虫卵は検出されなかった。受診から約2カ月経過した頃、再度、片節の排出が見られたため受診したところ(図1Ⓐ)、糞便検査で虫卵が検出された(図1Ⓑ)。プラジカンテルで駆虫し、治癒した。駆虫後の片節は、遺伝子検査でT. saginataと同定された。
参考文献
1)Tsuboi M, et al : Clinical characteristics and epidemiology of intestinal tapeworm infections over the last decade in Tokyo, Japan ; a retrospective review. PLoS Negl Trop Dis 12(2) : e0006297, 2018. PMID 29462133
2)佐原利典,他:当院で3年間に経験した無鉤条虫症4例についての検討.Clin Parasitol 30(1) : 49-51, 2019.
3)Yamasaki H, et al : Current situation of human Taenia asiatica taeniosis in Japan. Parasitol Int 83 : 102340, 2021. PMID 33812025
4)保科斉生,他:台湾での感染が疑われたアジア条虫症の1例.Clin Parasitol 26(1) : 117-120, 2015.
5)Namikawa H, et al : A case of imported Taenia asiatica infection in Japan. Jpn J Infect Dis 71(2) : 170-171, 2018. PMID 29491231
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