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文献詳細

雑誌文献

総合診療33巻2号

2023年02月発行

文献概要

What's your diagnosis?[242]

事故で渋滞してます

著者: 伊藤裕司1

所属機関: 1中東遠総合医療センター 総合内科

ページ範囲:P.133 - P.135

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病歴
患者:57歳、男性
主訴:好中球減少、高CRP血症
現病歴:2年前から胃薬を常用。2年前の血液検査で白血球(WBC)9,400/μL、好中球(Neut)5,499/
μLを指摘された。受診1カ月前から最高39.7℃の発熱、咳嗽、下痢を認めた。近医受診し、血液検査でWBC 3,900/μL、CRP 14.4mg/dL。上部消化管内視鏡検査、腹部エコーでは異常なし。感染症を疑われ点滴・経口抗菌薬5日分が処方されたが、体温37℃前後で下痢は持続していた。受診6日前に38℃前後の発熱が続くため前医を再診、血液検査でWBC 2,700/μL(Neut 621/μL)、CRP 13.6mg/dLだった。再度抗菌薬の点滴・経口抗菌薬を処方され、胃薬を変更されたが、症状改善しないため当院紹介受診。当院での血液検査で、WBC 3,100/μL(Neut 527/μL)、CRP 7.28mg/dL、RF 17IU/mL、ACPA <0.5U/mL、ANA 160倍(Homo)だが特異抗体は陰性、甲状腺ホルモン、ビタミンB12、葉酸は基準範囲内。便CD検査(GDH陽性・toxin陰性)からメトロニダゾールを投与したところ、解熱し、下痢も改善した。胸部CTにて上中肺野優位にすりガラス陰影を認め、ミノサイクリンを投与したが、血液検査でNeut 100〜400/μL、CRP 3〜15mg/dLが持続。血液内科に依頼したが、骨髄検査では特記すべき異常なし。初診から半年の時点で、再度39℃台の発熱を認め、精査目的に入院となった。
生活歴:タバコ20本/日(×40年)、アルコールなし
既往歴:なし  アレルギー:なし
薬剤:ボノプラザンからファモチジンに変更

参考文献

1)Farruggia P, et al : Diagnosis and management of primary autoimmune neutropenia in children ; insights for clinicians. Ther Adv Hematol 6(1) : 15-24, 2015. PMID 25642312 〈小児AINのreview〉
2) Autrel-Moignet A, et al : Autoimmune neutropenia. Presse Med 43(4 Pt 2) : e105-e118, 2014. PMID 24680423 〈AINのreview〉
3)Newburger PE, et al : Evaluation and management of patients with isolated neutropenia. Semin Hematol 50(3) : 198-206, 2013. PMID 23953336 〈単独好中球減少症へのアプローチ〉
4)Newburger PE : Autoimmune and other acquired neutropenias. Hematology Am Soc Hematol Educ Program 2016(1) : 38-42, 2016. PMID 27913460 〈AINのreview〉
5)Bux J, et al : Diagnosis and clinical course of autoimmune neutropenia in infancy ; analysis of 240 cases. Blood 19(1) : 181-186, 1998. PMID 9414283 〈AINの骨髄所見〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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