文献詳細
文献概要
特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き! 【しびれ診療のQに答えます!】
Q1 中枢性のしびれを見逃さないためにはどうすればよい?
著者: 塩尻俊明1
所属機関: 1総合病院 国保旭中央病院 総合診療内科
ページ範囲:P.146 - P.149
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患者:60歳、男性。
主訴:右下肢のしびれ。
現病歴:本日、朝から左への体の傾きと右下肢のビリビリ感を自覚。力は入り、冷感はない。体位での変化はなかった。明らかな麻痺はなく、顔面・右上肢に感覚の異常もなかった。改善がないため外来を受診。
ROS:5日前に後頸部痛を自覚。
既往歴:高血圧を指摘されたことはある。
薬剤歴:内服なし。
生活歴:農家。飲酒は日本酒2合/日、喫煙なし。
身体所見:意識清明。血圧170/113mmHg、心拍数88回/分、呼吸数12回/分、体温36.6℃、SpO2 96%(室内気)。神経学的には、鼠径部から右下肢前面も後面も下肢全体に「ビリビリ」とした異常感覚を認めた。温痛覚と触覚のいずれも、左に比べて低下していた。振動覚・位置覚は保たれている。徒手筋力テストで下肢に筋力の低下はなく、深部腱反射にも左右差はない。Babinski徴候も認めなかった。診察でも、顔面・上肢に感覚や筋力の異常はなかった。坐位・立位で左に傾き、継ぎ足歩行は左に傾いてしまうため困難であった。
患者:60歳、男性。
主訴:右下肢のしびれ。
現病歴:本日、朝から左への体の傾きと右下肢のビリビリ感を自覚。力は入り、冷感はない。体位での変化はなかった。明らかな麻痺はなく、顔面・右上肢に感覚の異常もなかった。改善がないため外来を受診。
ROS:5日前に後頸部痛を自覚。
既往歴:高血圧を指摘されたことはある。
薬剤歴:内服なし。
生活歴:農家。飲酒は日本酒2合/日、喫煙なし。
身体所見:意識清明。血圧170/113mmHg、心拍数88回/分、呼吸数12回/分、体温36.6℃、SpO2 96%(室内気)。神経学的には、鼠径部から右下肢前面も後面も下肢全体に「ビリビリ」とした異常感覚を認めた。温痛覚と触覚のいずれも、左に比べて低下していた。振動覚・位置覚は保たれている。徒手筋力テストで下肢に筋力の低下はなく、深部腱反射にも左右差はない。Babinski徴候も認めなかった。診察でも、顔面・上肢に感覚や筋力の異常はなかった。坐位・立位で左に傾き、継ぎ足歩行は左に傾いてしまうため困難であった。
参考文献
1)Arboix A, et al : Clinical study of 99 patients with pure sensory stroke. 252(2) : 156-162, 2005. PMID 15729520 〈純粋感覚障害型の脳血管障害の全体像をつかむのに適している〉
2)Kim JS, et al : Pure or predominant sensory stroke due to brain stem lesion. Stroke 28(9) : 1761-1764,1997. PMID 9303022 〈脳幹病変による感覚障害主体の脳血管障害をまとめている〉
3)Kim JS : Pure lateral medullary infarction ; clinical-radiological correlation of 130 acute, consecutive patients. Brain 126(Pt 8) : 1864-1872,2003. PMID 12805095 〈延髄外側症候群130例をまとめた論文〉
4)Manning S,et al : Cheiro-Oral syndrome. Am J Emerg Med 39 : 151-153, 2021. PMID 33039224 〈救急外来で経験した手口感覚症候群とレビュー〉
5)山口りか,他:手掌・両側口症候群を呈した片側橋被蓋傍正中部出血の1例—手掌・両側性口症候群.臨床神経 53(1) : 46-49, 2013. 〈手・両側性口症候群の解剖学的診断をわかりやすく解説している〉
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