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文献詳細

雑誌文献

総合診療33巻2号

2023年02月発行

文献概要

特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き! 【しびれ診療のQに答えます!】

Q4 しびれに関わる画像の読み方を知りたいです。

著者: 三宅亮1 服部高明1

所属機関: 1東京医科歯科大学 脳神経病態学分野

ページ範囲:P.158 - P.161

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CASE
繰り返す中枢神経症状の既往があり、
腹部から両下肢のしびれを呈した1例
患者:35歳、女性。
主訴:腹部〜両下肢のしびれ。
現病歴:4カ月前に両足底と左下肢後面に軽いしびれを自覚した。入浴すると症状が悪化し、症状は1カ月程度続いたが、その後自然に軽快した。2日前から下腹部、両大腿から両足先にかけてのビリビリとしたしびれ感を自覚したため受診。
診察所見:
一般身体所見:特記すべき事項なし。
神経学的所見:臍より遠位の腹部・両下肢に、末梢神経の支配域には沿わない分布でジンジンとしたびまん性の異常感覚があり、両足底には軽度の触覚・温痛覚低下を認めた。徒手筋力テストで下肢の筋力低下はなく、深部腱反射は四肢で軽度低下、Babinski反射は陰性であった。
検査所見:血液検査に特記すべき異常所見なし。髄液検査では細胞数2/μL、髄液蛋白52mg/dL、IgG index 1.71、オリゴクローナルバンド陽性であった。胸髄MRI(図1)および脳MRI(図2)を示す。

参考文献

1)Mag Uidhir F, et al : Bilateral loss of taste from a unilateral thalamic infarct. Pract Neurol 21(6) : 518-520, 2021. PMID 34433684 〈右視床梗塞によるcheiro-oral syndromeに加え、味覚障害をきたした症例報告〉
2)Chen WH : Cheiro-oral syndrome ; a clinical analysis and review of literature. Yonsei Med J 50(6) : 777-783, 2009. PMID 20046417 〈cheiro-oral syndromeに関する臨床的レビュー〉
3)Brinjikji W, et al : Systematic literature review of imaging features of spinal degeneration in asymptomatic populations. AJNR Am J Neuroradiol 36(4) : 811-816, 2015. PMID 25430861 〈無症候性の頸椎病変についての統計学的レビュー〉
4)Su X, et al : Use of magnetic resonance neurography for evaluating the distribution and patterns of chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy. Korean J Radiol 21(4) : 483-493, 2020. PMID 32193896 〈CIDPにおけるMRIの有用性を検証した観察研究〉
5)Gasparotti R, et al : Brachial and Lumbosacral Plexus and Peripheral Nerves. In Hodler J, et al(ed) : Diseases of the Brain, Head and Neck, Spine 2020-2023: Diagnostic Imaging [Internet]. Fig. 20.9, Springer, 2020. 〈The International Diagnostic Course in Davos(IDKD)が監修する放射性診断技術に関する電子教科書〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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