文献詳細
文献概要
特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き! 【しびれ診療のQに答えます!】
Q5 心因性のしびれの見分け方は?
著者: 上原孝紀1
所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院診断推論学/医学部附属病院総合診療科
ページ範囲:P.162 - P.165
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患者:75歳、男性。
主訴:両足のしびれ。
現病歴:5年前から右下肢のしびれ、2〜3年前から両足のしびれを自覚していた。半年前からしびれが悪化したため内科、整形外科に受診。血液検査や頸椎・腰椎MRI、内服治療や腰椎ブロック注射等、精査加療が行われたが改善しなかった。その後、心療内科に紹介され、抑うつ状態を指摘されて薬物加療を行ったが改善しなかったため、当科紹介となった。
ROS:しびれの分布は両膝以遠であり、足の甲を10点(最悪)として、ふくらはぎ8点、足先3点。しびれの増悪因子は歩行であり、寛解因子は風呂やゆたんぽで温めることである。温めると10→6点に軽快するが、温めすぎると悪化するという。また、4〜5時間仰臥位になると、10→2点に軽快する。
既往歴:胃癌手術(61歳)、腸閉塞で入院(保存的加療、73歳)。
内服薬:酸化マグネシウム0.5g 1日3回、スルピリド50mg 1日3回、ブロチゾラム0.25mg 1日1回。
生活歴:娘夫婦、孫2人と本人の5人暮らし。喫煙歴は1日10本/日。飲酒歴は日本酒3合/日。3カ月前に飲酒をやめた。しびれはつらいが、身の回りのことは自分でできている。
身体所見:血圧112/63mmHg、脈拍数76回/分、体温36.2℃、SpO2 98%。歩行異常なし。神経学的には両下肢の振動覚が5秒と低下している他、運動、温痛覚、触覚に異常所見なし。アキレス腱反射は両側減弱。Babinski徴候は両側屈曲。
患者:75歳、男性。
主訴:両足のしびれ。
現病歴:5年前から右下肢のしびれ、2〜3年前から両足のしびれを自覚していた。半年前からしびれが悪化したため内科、整形外科に受診。血液検査や頸椎・腰椎MRI、内服治療や腰椎ブロック注射等、精査加療が行われたが改善しなかった。その後、心療内科に紹介され、抑うつ状態を指摘されて薬物加療を行ったが改善しなかったため、当科紹介となった。
ROS:しびれの分布は両膝以遠であり、足の甲を10点(最悪)として、ふくらはぎ8点、足先3点。しびれの増悪因子は歩行であり、寛解因子は風呂やゆたんぽで温めることである。温めると10→6点に軽快するが、温めすぎると悪化するという。また、4〜5時間仰臥位になると、10→2点に軽快する。
既往歴:胃癌手術(61歳)、腸閉塞で入院(保存的加療、73歳)。
内服薬:酸化マグネシウム0.5g 1日3回、スルピリド50mg 1日3回、ブロチゾラム0.25mg 1日1回。
生活歴:娘夫婦、孫2人と本人の5人暮らし。喫煙歴は1日10本/日。飲酒歴は日本酒3合/日。3カ月前に飲酒をやめた。しびれはつらいが、身の回りのことは自分でできている。
身体所見:血圧112/63mmHg、脈拍数76回/分、体温36.2℃、SpO2 98%。歩行異常なし。神経学的には両下肢の振動覚が5秒と低下している他、運動、温痛覚、触覚に異常所見なし。アキレス腱反射は両側減弱。Babinski徴候は両側屈曲。
参考文献
1)生坂政臣:直感で始める診断推論—向上のための誤診を恐れるな! p75, 89.日本医事新報社,2022. 〈各論に活かせる診断推論のエッセンスが凝縮されている〉
2)成田賢治,他:自殺念慮の確認と自殺リスク評価.Depression Strategy 11(1) : 5-8, 2021. 〈総合診療医が押さえるべき内容として、自殺に関する評価と実践が概略されている〉
, 2022. 〈文字通り、成人の希死念慮と行動について、重要な情報の概略。terminology(用語)だけでも一読の価値あり〉
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