文献詳細
特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き!
【しびれ診療のQに答えます!】
Q6 糖尿病患者に合併する非糖尿病性ニューロパチーはどう診断すればよい?
著者: 小林正樹1
所属機関: 1日産厚生会 玉川病院 脳神経内科
ページ範囲:P.166 - P.170
文献概要
患者:60歳、女性。
主訴:両手足のしびれ、痛み。
現病歴:10年前に健診で空腹時血糖高値とHbA1c 7.0%で2型糖尿病と診断されて、近医で糖尿病内服薬開始となった。8年前から両足先から膝にかけて時々ジンジンする感覚があり、夜間には足裏が火傷したような痛みを感じて眠れないことがあった。その後HbA1cは6.5%前後で推移、痛みはプレガバリンやデュロキセチンを処方され落ち着いていた。数カ月前に箸が使いにくいことが気になり出し、さらにシャンプーや棚の上のものを取る時に腕を高く上げるのがつらくなった。2週間前から歩行も不安定になり、近医から脳神経内科専門医へ紹介となった。
神経所見:脳神経に異常なし、短趾伸筋を含め上下肢に筋萎縮なし、徒手筋力テストでは両上肢近位筋4レベル、遠位筋3レベル、両下肢は遠位筋4レベルの左右対称性の筋力低下があり、両上肢に肘から遠位、両下肢に膝下から遠位へ強くなる温痛覚、触覚の鈍麻がみられた。四肢の位置覚は正常、振動覚は内踝の振動覚10秒/11秒(10秒未満が低下)、四肢腱反射は低下〜消失。
検査所見:HbA1c 6.6%、髄液細胞数2/mm3(正常範囲<5)、蛋白135mg/dL(15〜45)。
参考文献
掲載誌情報