icon fsr

文献詳細

雑誌文献

総合診療33巻2号

2023年02月発行

文献概要

特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き! 【しびれ診療のQに答えます!】

Q10 small fiber neuropathyって、何?

著者: 夏井洋和1 叶内匡1 横田隆徳1

所属機関: 1東京医科歯科大学病院 脳神経内科

ページ範囲:P.181 - P.184

文献購入ページに移動
CASE
患者:70歳、女性。
主訴:両手足のしびれと痛み。
現病歴:2年前から両足趾にピリピリしたしびれが出現し、次第に灼熱感を感じるようになった。しびれや灼熱感の範囲は膝へと徐々に拡大し、1年前には両手にも同じしびれを感じるようになった。同時期から足底を地面につけた際に、その部分に針で刺されるような痛みを感じるようになった。また、次第に手足の汗の出にくさを感じるようになったため、精査目的で当科入院となった。
既往歴:橋本病。
内服薬:レボチロキシンナトリウム水和物。
家族歴:神経疾患の家族歴なし。
生活歴:飲酒なし、喫煙なし。
入院時所見:身長154cm、体重49.5kg。血圧116/58mmHg、心拍数59回/分。神経学的所見については、脳神経に異常はなく、四肢の筋力は正常で筋萎縮を認めなかった。腱反射は両上下肢正常で、病的反射も認めなかった。手関節以遠、膝関節以遠に左右差のないピリピリとした異常感覚と痛みがあり、同部位の温痛覚と触覚の低下を認めた。振動覚、位置覚は正常であった。歩行は問題なく、Romberg徴候は陰性であった。自律神経障害として、手掌や足底の発汗の低下を認めた。

参考文献

1)Terkelsen AJ, et al : The diagnostic challenge of small fibre neuropathy ; clinical presentations, evaluations, and causes. Lancet Neurol 16(11) : 934-944, 2017. PMID 29029847 〈small fiber neuropathyの臨床像や原因、および診断についてのレビュー〉
2)Chan AC, et al: Small fiber neuropathy ; getting bigger!. Muscle Nerve 53(5) : 671-682, 2016. PMID 26872938 〈small fiber neuropathyの診断および治療について記載のあるレビュー〉
3)叶内匡,他:実地医家に必要な新しい検査と重要な検査項目.日内会誌 97(12) : 2998-3005, 2008. 〈神経伝導検査の原理や解釈上の注意点について記載されている〉
4)Devigili G, et al : The diagnostic criteria for small fiber neuropathy ; from symptoms to neuropathology. Brain 131(Pt 7) : 1912-1925, 2008. PMID 18524793 〈small fiber neuropathyの診断基準〉
5)Tesfaye S, et al ; Toronto Diabetic Neuropathy Expert Group : Diabetic neuropathies ; update on definitions, diagnostic criteria, estimation of severity, and treatments. Diabetes Care 33(10) : 2285-2293, 2010. PMID 20876709 〈small fiber neuropathyの診断基準〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?