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文献概要
特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き! 【しびれ診療のQに答えます!】
Q10 small fiber neuropathyって、何?
著者: 夏井洋和1 叶内匡1 横田隆徳1
所属機関: 1東京医科歯科大学病院 脳神経内科
ページ範囲:P.181 - P.184
文献購入ページに移動患者:70歳、女性。
主訴:両手足のしびれと痛み。
現病歴:2年前から両足趾にピリピリしたしびれが出現し、次第に灼熱感を感じるようになった。しびれや灼熱感の範囲は膝へと徐々に拡大し、1年前には両手にも同じしびれを感じるようになった。同時期から足底を地面につけた際に、その部分に針で刺されるような痛みを感じるようになった。また、次第に手足の汗の出にくさを感じるようになったため、精査目的で当科入院となった。
既往歴:橋本病。
内服薬:レボチロキシンナトリウム水和物。
家族歴:神経疾患の家族歴なし。
生活歴:飲酒なし、喫煙なし。
入院時所見:身長154cm、体重49.5kg。血圧116/58mmHg、心拍数59回/分。神経学的所見については、脳神経に異常はなく、四肢の筋力は正常で筋萎縮を認めなかった。腱反射は両上下肢正常で、病的反射も認めなかった。手関節以遠、膝関節以遠に左右差のないピリピリとした異常感覚と痛みがあり、同部位の温痛覚と触覚の低下を認めた。振動覚、位置覚は正常であった。歩行は問題なく、Romberg徴候は陰性であった。自律神経障害として、手掌や足底の発汗の低下を認めた。
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