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文献詳細

雑誌文献

総合診療33巻2号

2023年02月発行

文献概要

特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き! 【しびれ診療のQに答えます!】

Q12 傍腫瘍症候群によるニューロパチーをいつ疑えばよい?

著者: 小野大介1

所属機関: 1東京医科歯科大学病院 脳神経内科

ページ範囲:P.190 - P.192

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CASE
患者:81歳、男性。
主訴:亜急性に増悪する手足のしびれ感とふらつき。
現病歴:3カ月前より左手の先がしびれることに気づいた。2カ月前より四肢先端が軽くジンジンとしびれるようになった。1カ月前より歩行時にふらつくようになり、足元を見ながら歩くようになった。同時期より手先が不器用になり、箸が使いにくく、顔を洗う際に指が目や鼻の穴に入ってしまうようになった。1週間前、夜間にトイレに行くために電気をつけようとしたところ転倒してしまい、車椅子を用いるようになったため、家族に連れられて来院した。
既往歴:虫垂炎で手術(18歳時)。高血圧症に対して降圧薬内服中。
生活歴:飲酒歴:日本酒1合/日、喫煙歴:20歳より20本/日、偏食なし。
診察所見:バイタルサイン、一般身体所見に異常なし。神経学的には意識清明で、脳神経に異常なし。徒手筋力テストでは明らかな異常を認めない。指鼻試験では両側左優位に開眼時の測定障害と運動分解を認め、閉眼で増悪した。四肢腱反射は消失しており、Babinski反射・Chaddock反射は陰性だった。四肢にジンジンとした異常感覚を認め、左上肢で強かった。痛覚・冷覚は保たれていたが、両側内踝の振動覚を全く感じなかった。何とか立位保持はできたが、閉眼させると倒れてしまい、支えが必要だった。

参考文献

1)Graus F, et al : Updated diagnostic criteria for paraneoplastic neurologic syndromes. Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm 8(4) : e1014, 2021. PMID 34006622
2)Ganaraja VH, et al : Paraneoplastic neurological syndrome ; growing spectrum and relevance. Neurol Sci 43(6) : 3583-3594, 2022. PMID 35460452
3)桑原聡:腫瘍に伴うニューロパチー(傍腫瘍性ニューロパチー).日内会誌 108(8) : 1562-1565, 2019.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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