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文献詳細

雑誌文献

総合診療33巻2号

2023年02月発行

文献概要

特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き! 【しびれ診療のQに答えます!】

Q13 薬剤(免疫チェックポイント阻害薬を含む)によるニューロパチーへのアプローチは?

著者: 三浦義治1

所属機関: 1東京都立駒込病院 脳神経内科

ページ範囲:P.193 - P.195

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CASE
患者:75歳、男性。
主訴:四肢の筋力低下。
現病歴:肺非小細胞癌と診断され、ぺムブロリズマブ(200mg)投与から10日後に両下肢脱力が出現。投与15日後には歩行不能となり、その後、両上肢挙上も困難になり、投与20日後に入院。
ROS:ぺムブロリズマブ投与11日後に両膝以遠に異常感覚(ビリビリ感)が出現。
既往歴:なし。
内服薬:なし。
生活歴:喫煙20本/日×55年間。
身体所見:意識清明。血圧110/50mmHg、心拍数105回/分、呼吸数12回/分、体温36.5℃、SpO2 95%(室内気)。神経学的には、脳神経所見は正常。下肢優位、遠位筋優位の四肢筋力低下を認め、MMT(徒手筋力テスト)は上肢近位5・遠位3、下肢近位2・遠位1で、左右差はなし。四肢腱反射は消失。両手関節、両膝関節以遠に異常感覚を認めた。振動覚は四肢で低下。自律神経障害は認めなかった。

参考文献

1)Fan Q, et al : Guillain-Barré syndrome in patients treated with immune checkpoint inhibitors. J Neurol 268(6) : 2169-2174, 2021. PMID 33475824 〈FAERSのレポートから、ICI-related GBSの特徴と原因薬剤をまとめた〉
2)水澤英洋,他:重篤副作用疾患別対応マニュアル—ジスキネジア.厚生労働省,2009. 〈薬剤性末梢神経障害について概説している〉
3)大平悠美、他:ニボルマブ投与4日後に急性脱髄性多発神経障害を発症した肺腺癌の1例.肺癌60(7) : 991-994, 2020. 〈ニボルマブ関連急性脱髄性多発神経障害の症例報告〉
4)Janssen JBE, et al : Immune checkpoint inhibitor-related Guillain-Barré syndrome ; a case series and review of the literature. J Immunother 44(7) : 276-282, 2021. PMID 33758147 〈ぺムブロリズマブ関連およびニボルマブ関連GBSの症例報告シリーズと、免疫チェックポイント阻害薬によるirAE-GBSのレビュー〉
5)山中菜々美,他:アテゾリズマブ誘発性にギラン・バレー症候群様の急性脱髄性末梢神経障害を呈し、ステロイド併用により軽快した76歳男性例.臨床神経 61(10) : 653-657, 2021. PMID 34565748 〈アテゾリズマブ関連急性脱髄性末梢神経障害の症例報告〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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