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特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き! 【しびれ診療のQに答えます!】
Q15 神経障害性疼痛治療薬とセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬の使い方は?
著者: 歌川蔵人1 平井高志1 吉井俊貴1
所属機関: 1東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 整形外科学
ページ範囲:P.200 - P.203
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患者:66歳、男性。
主訴:左腰部・臀部・下肢外側の痛み。
現病歴:3年前から同症状を発症し、経過観察で改善と悪化を繰り返してきた。受診1カ月前から同症状が再燃した。間欠性跛行も認め、増悪傾向にあったため受診となった。
既往歴:高血圧。
内服薬:なし。
生活歴:以前はデスクワーク中心の仕事だったが、現在は定年退職している。
身体所見:前傾姿勢で緩慢な歩行であった。徒手筋力検査では明らかな下肢筋力左右差を認めず、深部腱反射の異常は認められなかった。両側足背動脈触知は良好で、SLR検査は両側陰性、左のKemp徴候が陽性であった。
検査所見:単純X線検査ではMyerding分類Ⅰ度の第4腰椎(L)変性すべり症を認め、MRI検査でL4/5の高度中心性脊柱管狭窄を認めた。
治療経過:診察所見および画像所見から、腰部脊柱管狭窄症に伴うL5神経根症と診断した。初診時よりプレガバリン75mg 1回1錠・1日2回、リマプロストアルファデクス5μg 1回1錠・1日3回、ロキソプロフェンNa 60mg 1回1錠・1日3回を処方し、受診時NRS(numerical rating scale)9であったが、1カ月後には6程度まで改善を認めた。プレガバリン75mgを1回2錠・1日2回に増量し、2カ月後時点でNRS 3程度まで改善したため、ロキソプロフェンNaは終了とした。その後NRS 1〜2程度で安定して経過し、経過良好にて保存加療を継続している。
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