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文献詳細

雑誌文献

総合診療33巻3号

2023年03月発行

文献概要

What's your diagnosis?[243]

お酢を足せば少ないはずなのに…

著者: 浜田禅1 風間亮1 牧隆太郎1 北村大1 浅川麻里1

所属機関: 1堺市立総合医療センター 総合内科

ページ範囲:P.254 - P.258

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病歴
患者:67歳、男性
主訴:粘液便
現病歴:もともと便秘でセンナエキスを服用していた。1カ月前に便秘が増悪したため下剤を増量した頃から、卵の白身のような粘液便が出現した。下剤を中止して整腸薬(近医処方)を服用したが改善せず、赤い粘液便が出現するようになった。3時間に1回程の排便回数であり、食事に関係なく夜間も認めた。食欲はやや低下し、今回で約5kg体重が減少した。近医より精査目的に当院の外来に紹介受診となった。腹痛、嘔気・嘔吐、しぶり腹、腹部膨満感、頻尿・排尿時痛、咳・痰、熱・寒気・盗汗などはなかった。
併存症:Parkinson病、変形性頸椎症、うつ病
既往歴:脳梗塞(後遺症なし)
内服薬:レボドパ、ドンペリドン、クロピドグレル、エスシタロプラム、ミルタザピン、ブロチゾラム、サナクターゼ、ビフィズス菌製剤、その他漢方・サプリメントの使用なし
アレルギー:なし
嗜好歴:喫煙20本/日(20〜38歳)、飲酒 なし
海外渡航:なし
性交歴:機会は全くなし

参考文献

1)Cappell MS:Colonic toxicity of administered drugs and chemicals. Am J Gastroenterol 99(6) : 1175-1190, 2004. PMID 15180742 〈薬剤性の腸管病変を分類し、主な薬剤による発症機序について記載している〉
2)Casella G, et al:Colonic left-side increase of eosinophils ; a clue to drug-related colitis in adults. Aliment Pharmacol Ther 29(5) : 535-541, 2009. PMID 19077107 〈腸管の好酸球浸潤において、薬剤性腸炎に認める特徴を記述している〉
3)Beaugerie L, et al:Review article ; drug-induced microscopic colitis ; proposal for a scoring system and review of the literature. Aliment Pharmacol Ther 22(4) : 277-284, 2005. PMID 16097993 〈顕微鏡的大腸炎の原因として、多くの文献をもとに、因果関係のある薬剤を検討している〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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