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特集 —自信がもてるようになる!—エビデンスに基づく「糖尿病診療」大全—新薬からトピックスまで 【Ⅰ章】「薬物療法」の新スタンダード
❹DPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬
著者: 酒井麻有1 加藤丈博1 矢部大介1234
所属機関: 1岐阜大学大学院医学系研究科 糖尿病・内分泌代謝内科学/膠原病・免疫内科学 2関西電力医学研究所 糖尿病研究センター 3岐阜大学高等研究院 One Medicineトランスレーショナルリサーチセンター 4東海国立大学機構 医療健康データ統合研究教育拠点
ページ範囲:P.276 - P.278
文献購入ページに移動GIPとGLP-1は、消化管から分泌されると、直ちに蛋白分解酵素DPP-4(dipeptidyl peptidase-4)により不活化される。今日までに、DPP-4の働きを阻害し、内因性インクレチンの活性を生理学的レベルで高める「DPP-4阻害薬」、DPP-4により分解されにくいGLP-1アナログを薬理学的レベルで補充する「GLP-1受容体作動薬」が開発され、2型糖尿病治療薬として広く使用されている。特にGLP-1受容体作動薬は、体重減量効果に加え、心血管イベントや腎イベントのリスク軽減も示され、動脈硬化性疾患リスク(p.268)の高い「肥満2型糖尿病」に対する使用が増えている。さらに近年、1つのペプチドでありながらGIP受容体とGLP-1受容体を同時に活性化し、顕著な血糖改善効果と体重減量効果を発揮しうる「GIP/GLP-1共受容体作動薬」が製造承認を受け、肥満2型糖尿病に対する新たな治療薬として注目を集めている。
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