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文献詳細

雑誌文献

総合診療33巻3号

2023年03月発行

文献概要

特集 —自信がもてるようになる!—エビデンスに基づく「糖尿病診療」大全—新薬からトピックスまで 【Ⅰ章】「薬物療法」の新スタンダード

❼インスリンとさまざまな配合注射剤—比較的新しい注射剤と総合診療医が活用する注射剤

著者: 岩田葉子1 弘世貴久1

所属機関: 1東邦大学医療センター大森病院 糖尿病・代謝・内分泌センター

ページ範囲:P.285 - P.287

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Case
放置していた糖尿病が悪化し職場健診で指摘された一例
患者:59歳、男性。身長172cm、体重86kg(BMI 29.0kg/m2)。
家族歴:父が糖尿病
現病歴:5年前に糖尿病と診断され内服開始となるも、血糖値が改善したため数カ月で通院中断した。職場健診は毎年受診し、3年前から血糖高値を指摘されたが、多忙で放置していた。前年
の健診でHbA1c 8.6%、本年はHbA1c 10.4%、空腹時血糖値202mg/dLとなり、産業医に指示され来院した。在宅勤務が増え活動量が減るとともに、食事量が増え間食も習慣化し、体重はこの1年で6kg増加した。今回の健診で脂質異常症も指摘されたが、他は異常なし。夜間頻尿・倦怠感などの自覚症状はない。どのような処方で治療開始するか?

参考文献

1)Kaku K, et al: Superior efficacy with a fixed-ratio combination of insulin degludec and liraglutide (IDegLira) compared with insulin degludec and liraglutide in insulin-naïve Japanese patients with type 2 diabetes in a phase 3, open-label, randomized trial. Diabetes Obes Metab 21(12) : 2674-2683, 2019. PMID 31407845 〈IDegLiraの日本での第Ⅲ相試験。配合剤は他の単剤と比較し有意にHbA1cを改善させた〉
2)Peng XV, et al : Impact of simultaneous versus sequential initiation of basal insulin and glucagon-like peptide-1 receptor agonists on HbA1c in type 2 diabetes; a retrospective observational study. Diabetes Ther 11(4) : 995-1005, 2020. PMID 32112204 〈2剤併用治療期間12カ月と、段階的導入群と同時導入群は同等にもかかわらず、血糖管理に有意差あり〉
3)弘世貴久:糖尿病薬物療法の裏ワザ豆知識.p109,南江堂,2020. 〈日々の糖尿病診療で行き当たる問題点や知っていて損のない情報を薬剤ごとに提供〉
低血糖リスクの増加なく食後血糖値が有意に改善した〉
の食直後注射では、食後血糖上昇幅も既存製剤の食直前注射の場合と同等であった〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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