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特集 —自信がもてるようになる!—エビデンスに基づく「糖尿病診療」大全—新薬からトピックスまで 【Ⅱ章】基本が大事!ちゃんとできてる?“おさらい”糖尿病診療
❷糖尿病患者が定期的に行ったほうがよい検査
著者: 及川洋一1 島田朗1
所属機関: 1埼玉医科大学 内分泌・糖尿病内科
ページ範囲:P.293 - P.295
文献購入ページに移動尿中アルブミン排泄量の定期測定によって早期に糖尿病性腎症第2期と診断し、治療介入により腎症の寛解がみられた一例
患者:47歳、男性
現病歴:39歳の時、健診を契機に2型糖尿病と診断された。著明な肥満があり、高血圧症も認めたため、ビグアナイド薬とカルシウム拮抗薬が開始されたが、近年はHbA1c 8%前後、血圧150/100mmHg程度と、血糖・血圧ともにコントロール不良であった。
半年に1回の頻度で定期的に尿アルブミン排泄量を測定していたところ、46歳の時に2回続けて100mg/gCr台となり(eGFRは60mL/分/1.73m2程度)、糖尿病性腎症第2期と診断した。ただちにSGLT2阻害薬を開始した結果、肥満の是正とともにHbA1cは6%台にまで改善し、塩分制限(1日6g)とARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)の追加投与によって、血圧は120/80mmHg程度で推移した。1年後には腎症第1期への寛解がみられた。
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