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文献詳細

雑誌文献

総合診療33巻3号

2023年03月発行

文献概要

特集 —自信がもてるようになる!—エビデンスに基づく「糖尿病診療」大全—新薬からトピックスまで 【Ⅱ章】基本が大事!ちゃんとできてる?“おさらい”糖尿病診療

❻—2型糖尿病の合併症—神経

著者: 水地智基1 三澤園子1

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院 脳神経内科学

ページ範囲:P.304 - P.306

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 糖尿病は多彩な神経障害を起こしうるが、主要な病型は「糖尿病性多発神経障害(diabetic polyneuropathy:DPN)」である。細小血管合併症の1つであるDPNは、糖尿病患者の30〜40%にみられ1)、左右対称性かつ長さ依存性に生じ、「遠位対称性感覚運動性多発神経障害」と「自律神経障害」を呈する。発症早期には両足趾・足底の「しびれ感」「疼痛」「異常感覚」が出現し、緩徐に症状が上行する。進行すると「感覚鈍麻」、足内在筋の「萎縮」や「筋力低下」が左右対称性に出現する。自律神経障害としては、「起立性低血圧」「便秘・下痢」「神経因性膀胱」「発汗異常」など、多彩な症候を呈する。

参考文献

1)佐藤譲,他:糖尿病神経障害の発症頻度と臨床診断におけるアキレス腱反射の意義—東北地方15,000人の実態調査.糖尿病50(11) : 799-806, 2007. 〈東北地方で実施されたDPNの疫学調査〉
2) 糖尿病性神経障害を考える会:糖尿病性多発神経障害(distal symmetric polyneuropathy)の簡易診断基準.末梢神経31(1):174-176, 2020. 〈DPNの簡易診断基準や鑑別フローチャートが記載されている〉
3)Hotta N, et al: Long-term clinical effects of epalrestat, an aldose reductase inhibitor, on diabetic peripheral neuropathy; the 3-year, multicenter, comparative Aldose Reductase Inhibitor-Diabetes Complications Trial . Diabetes Care 29(7) : 1538-1544, 2006. PMID 16801576 〈エパルレスタットがDPNの進展を抑制することを示したRCT(ランダム化比較試験)〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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