文献詳細
文献概要
特集 —自信がもてるようになる!—エビデンスに基づく「糖尿病診療」大全—新薬からトピックスまで 【Ⅱ章】基本が大事!ちゃんとできてる?“おさらい”糖尿病診療
⓬どうする? 高齢糖尿病患者の「マルチモビディティ」と「ポリファーマシー」
著者: 大浦誠1
所属機関: 1南砺市民病院 内科・総合診療科
ページ範囲:P.320 - P.323
文献購入ページに移動Case
患者:78歳、男性。妻と2人暮らし。遠方に長男夫婦が住んでいる。
現病歴:50歳で「高血圧症」「2型糖尿病」「脂質異常症」「慢性腎臓病」「高尿酸血症」を指摘され、58歳で「急性心筋梗塞」を発症し、循環器内科に「非弁膜症性心房細動」「慢性心不全」「肺気腫」で通院していた。また、泌尿器科に「前立腺肥大症」のため通院していたが受診しなくなり、整形外科には「変形性膝関節症」と「腰部脊柱管狭窄症」で通院していた。
ADLは杖歩行で、食事・更衣・排泄は自立している。要介護1で、デイサービスを週2回利用している。嗜好歴は58歳まで喫煙、日本酒1合/日であった。定期受診日に、内服薬が大量に余っていることが発覚。また高齢者総合機能評価で、軽度の認知機能障害と抑うつ傾向を認めていた。
処方薬:ヒドロクロロチアジド、トラセミド、エナラプリル、ビソプロロール、リバーロキサバン、クロピドグレル、シタグリプチン、ロスバスタチン。整形外科でセレコキシブ、プレガバリン。
患者:78歳、男性。妻と2人暮らし。遠方に長男夫婦が住んでいる。
現病歴:50歳で「高血圧症」「2型糖尿病」「脂質異常症」「慢性腎臓病」「高尿酸血症」を指摘され、58歳で「急性心筋梗塞」を発症し、循環器内科に「非弁膜症性心房細動」「慢性心不全」「肺気腫」で通院していた。また、泌尿器科に「前立腺肥大症」のため通院していたが受診しなくなり、整形外科には「変形性膝関節症」と「腰部脊柱管狭窄症」で通院していた。
ADLは杖歩行で、食事・更衣・排泄は自立している。要介護1で、デイサービスを週2回利用している。嗜好歴は58歳まで喫煙、日本酒1合/日であった。定期受診日に、内服薬が大量に余っていることが発覚。また高齢者総合機能評価で、軽度の認知機能障害と抑うつ傾向を認めていた。
処方薬:ヒドロクロロチアジド、トラセミド、エナラプリル、ビソプロロール、リバーロキサバン、クロピドグレル、シタグリプチン、ロスバスタチン。整形外科でセレコキシブ、プレガバリン。
参考文献
1)van den Akker M, et al: Comorbidity or multimorbidity. Eur J Gen Pract 2(2) : 65-70, 1996.
2)Wallace E, et al: Managing patients with multimorbidity in primary care. BMJ 350 : h176, 2015. PMID 25646760
3)Cicek M, et al: Characterizing multimorbidity from type 2 diabetes; insights from clustering approaches. Endocrinol Metab Clin North Am 50(3) : 531-558, 2021. PMID 34399960
4)Christiaens A, et al: Association between diabetes overtreatment in older multimorbid patients and clinical outcomes; an ancillary European multicentre study. Age Ageing 52(1) : afac320, 2023. PMID 36626323
5)Mercer S, et al: ABC of Multimorbidity. fig 8.2, John Wiley & Sons, UK, 2014.
6)Scott IA, et al: Reducing inappropriate polypharmacy; the process of deprescribing. JAMA Intern Med 175(5) : 827-834, 2015. PMID 25798731
7)大浦誠:ケースで学ぶマルチモビディティ 第17回,ポリファーマシーのパターン—処方カスケードを意識する.週刊医学界新聞 3432:5, 2021. https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2021/3432_03(2023年2月3日現在)
掲載誌情報