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特集 —疾患別“イルネススクリプト”で学ぶ—「腹痛診療」を磨き上げる22症例 【総論】
❷「稀だが見逃したくない腹痛疾患」一覧表
著者: 原田拓1
所属機関: 1練馬光が丘病院 総合救急診療科 総合診療部門
ページ範囲:P.527 - P.531
文献購入ページに移動 まず、表1に「腹痛をきたす稀な疾患」をリストアップした。
稀な腹痛疾患を診断するにあたって必要なのは、しっかりした病歴聴取と身体診察による「罹患臓器(障害部位)」の絞り込みである。一方、望ましくないのは、単純CTや内視鏡などの画像検査を事前に鑑別診断をあげることなく施行し、陰性だからと言って器質的疾患の存在を否定することである。表1を見ればわかるように、単純CTでわかる疾患はむしろ少ない。特に再発性の非致死性疾患は、診断遅延によって重篤な転帰をたどることはないかもしれないが、不要な受診や検査の繰り返しにつながることがあるので、QOLのためにもしっかり診断しておきたい1)。
稀な腹痛疾患を診断するにあたって必要なのは、しっかりした病歴聴取と身体診察による「罹患臓器(障害部位)」の絞り込みである。一方、望ましくないのは、単純CTや内視鏡などの画像検査を事前に鑑別診断をあげることなく施行し、陰性だからと言って器質的疾患の存在を否定することである。表1を見ればわかるように、単純CTでわかる疾患はむしろ少ない。特に再発性の非致死性疾患は、診断遅延によって重篤な転帰をたどることはないかもしれないが、不要な受診や検査の繰り返しにつながることがあるので、QOLのためにもしっかり診断しておきたい1)。
参考文献
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